理系女子の履歴書

美人理系女子の思考に迫る!夢の自動調理ロボットで朝の時間を快適にしたい

東京大学 工学部 電子情報工学科 3年 宮武茉子【前編】

美しき理系女子学生の現在と、夢を実現するためのエネルギーに迫る「理系女子の履歴書」。第6回は東京大学 工学部3年の宮武茉子(みやたけまこ)さん。ものづくりを軸に、さまざまな分野に挑戦している宮武さんは現在、自動調理ロボット開発に熱中しているそう。きっかけは自分のため。美人理系女子がロボット開発から目指す理想のライフスタイルとは?

癒し系理系美人の夢は医師……から一転、ハッカーに?

東京大学 工学部3年の宮武茉子さんは、言うなればエネルギッシュな“行動派ロボット女子”だ。これまでにロボコンサークルでロボットの制作をしたり、東大女子に向けたエンジニアとの座談会イベントを主催する「TeaTime Tech Lab.」の運営に携わったりと、多方面に力を注いできた。

「大学生は自由で、責任もほとんどない唯一の期間だと思っているので、その間に興味があることは何でもやっておきたいんです。何か面白そうなことがあれば、とりあえず突っ込んでいくタイプです(笑)」

手を動かすことが好きで、ものづくりには昔から親しみがあったそう

大学では電子情報工学科を選択し、現在はプログラミングや回路、情報について学んでいるという。とにかく手を動かして実践し、感覚をつかむことが重要な学問だけに、週3回は実験の授業があるそうだ。

「先日は正弦波(整ったカーブを描く波動)でラの音を作るプログラミングの実験をしました。それを応用して最終的には電話を作るのが目標で、今はその基礎を学んでいるところです」と楽しそうに近況を語ってくれる宮武さん。工学系に昔から興味があったのか尋ねてみると、意外な答えが返ってきた。

「実は高校生のときは全く違う進路を目指していたんです。親が地元で診療所をやっているので、将来は医者になろうと思っていました。京都大学の医学部に進みたかったのですが、全然偏差値が足りなくて……」

「スマートスピーカーの『Google Home』とスマートリモコン『Nature Remo(ネイチャーリモ)』を組み合わせて、家中の電気やエアコンなどを自動化しているんです」と機械好きエピソードを教えてくれた

「どうしよう。これじゃ、絶対に受からない」と現実に直面し、それでもランクを落として別の大学の医学部を受験するのか、はたまた全く別の道に進むのか、高校卒業後の進路には相当悩んだそうだ。

「あるとき、私は本当に医者になりたいのかな、と思ったんです。よく考えてみれば、医者を目指したのは親が医者だからという漠然とした理由だけで……。どちらかと言えば、好きな映画の『ミッション:インポッシブル』や『ダイ・ハード』に出てくるギーク(卓越した知識を持つ)なハッカー役に憧れていました。だからプログラミングとかエンジニアリングとか、情報系に進もうと決めたんです。親も自分の好きなことをやりなさい、と後押ししてくれました」

ロボットアームを備えた「朝ご飯ロボ」開発に夢中!

そんな宮武さんが現在一番、情熱を傾けているのが、インターンに参加している企業での「朝ご飯ロボ」開発だ。「朝ご飯ロボ」とは、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の冒頭シーンに出てくるような、自動で朝ご飯を作ってくれる機械を想像してもらえるといいだろう。

起床時間に合わせてパンや卵、ベーコンなどを焼いて、コーヒーまでいれてくれる。そんな機械を作りたいのだそう。理由は「良い気分で目覚めたいから」だ。

「自分にプラスになることをしたかった」とインターンに参加している理由を語る。「家庭教師のアルバイトなどをやれば稼げるかもしれないですが、大学では学べないことを得られるのは大きな財産になります」

「大学進学に合わせて一人暮らしを始めたのですが、朝がなかなか起きられなくて。でも、実家にいたときはそんなことなかったんですよ。違いは何かと考えたら、母が作る朝ご飯だ!っていうことに気が付いたんです。実家では毎日、母が朝ご飯を作ってくれていて、良い香りで目覚めていたので、朝ご飯ロボがあれば一人でも起きられるんじゃないかと……」

先述した映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で描かれたような自動朝食調理機器を実現しようとする例は海外でも多く見られるし、そもそも食品産業界では調理のオートメーション化が加速している。家庭用の調理ロボットの開発も世界的に進んでおり、一家に一台「朝ご飯ロボ」がある時代も、そう遠くない未来の話なのだろう。

宮武さんがインターンで参加しているコネクテッドロボティクスは、そんな調理ロボットシステムを開発しているベンチャー企業だ。日本の飲食業界における深刻な課題である人手不足をロボットによって解消し、日本食をさらに世界へと発信していくことをミッションとしている。

コネクテッドロボティクスが開発した「たこ焼きロボット」。油引きから具材入れ、回転、盛り付けまでを自動調理する。今後は焼き鳥や天ぷらなどの自動調理にも取り組んでいく予定

「『朝ご飯ロボ』は、そこで私が進めているプロジェクトなんです。会社見学の際、社長に『どんなことをやりたいの?』と聞かれ、朝が苦手だから朝ご飯の良い香りで気持ちよく目覚めたいと伝えたら『実はいつか作りたいと思っていた』と賛同してくださって」

現在は「朝ご飯ロボ」の実現に向けて、会社から与えられた小型ロボットアームを用いて、設計から制作の全てを担い、開発を進めている真っ最中。「まだオーブンを開けられるだけなんですけど……。パンと卵とベーコン、オーソドックスな朝食を自動調理できるところまでやり遂げたいですね」

休日には家電量販店に行って、全フロアを見て回ったりすることも。「掃除ロボットとかスマート家電のフロアにはついつい長居してしまいます(笑)」

人間とロボットが協働する楽しい料理時間を

調理を自動化するという試みは、映画やマンガの世界が実現するようでとてもワクワクするが、その料理に対して宮武さんには思うところがあるそうだ。

「自動化によって料理の楽しみは奪いたくないんです。実は私、インスタグラムで料理アカウントをやっているくらい、料理好きで。最初にこのプロジェクトを始めたときは深く考えていなかったんですが、最近は『料理は、どこまでの工程を人間がやって楽しいものなのだろうか』ということを考えるようになってきたんです」

宮武さんが作っているのは、あくまでも家庭用のロボット。効率重視の食品工場や人手不足の飲食店の問題を解決しようとするものではない。自身が料理好きであるからこそ、料理をする楽しさをどこまで残せるかに腐心しているのだという。

大阪出身の宮武さん。上京をきっかけに一人暮らしを始め、料理を本格的にやるようになったそう。「実家では野菜の切り方とかで母にダメ出しをされるので、今は伸び伸びできています(笑)」

「朝ご飯で言えば、パンをトースターに入れたり卵を割ったりという工程は、作業的な意味合いが強いので自動化してもいいと思っていますが、そのバランスは模索中なんです。まだ何もできてないのに、先のことばっかり考えています(笑)」

まだ開発中ではあるものの、「朝ご飯ロボ」のアイデアを次のステージに進めるための準備も始めている。東京大学発のアイデアを米・テキサス州で行われるクリエイティブ・ビジネス・フェスティバル「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)」へと送り出す「Todai to Texas2019」へのエントリーを予定しているのだそう。事前選考は7月中旬。これからますます忙しくなりそうだ。

大学の中で好きな場所は東京大学本郷キャンパスの2号館。「講義室の各席に1口ずつコンセントが付いているんです。それが好きなんですよ(笑)。やっぱり電気がないとPCも使えないしロボットも動かないですからね」

「『Todai to Texas』は東大生なら誰でも参加できるコンテストで、プレゼンが通ると2019年3月にテキサスで行われる『SXSW』に参加できるんです。1人で進めているプロジェクトなので不安もありますが、今はそれがモチベーションになっています。プレゼンが通れば、今後の開発にも自信が持てるんじゃないかなと思います」


<2018年6月28日(木)配信の【後編】に続く>
美人理系女子がロボコン参戦?ロボット開発エンジニアを目指した原点と前進するためのエネルギーとは

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

Twitterでフォローしよう

この記事をシェア

  • Facebook
  • Twitter
  • はてぶ!
  • LINE