理系女子の履歴書

美人理系女子の本音を聞く!目指すはソフトとハードを自在に作れるエンジニア

東京大学 工学部 電子情報工学科 3年 宮武茉子【後編】

美しき理系女子学生の現在と、夢を実現するためのエネルギーに迫る「理系女子の履歴書」。第6回は東京大学 工学部3年の宮武茉子(みやたけまこ)さん。後編では大学のロボコンサークルでの話から、彼女の思い描くエンジニアの姿をひもとく。「自分が欲しいものを作りたいだけ」というその言葉の真意とは。

勉強の合間に見たロボコン動画に興奮!

東京大学 工学部に通いながら、インターン先で自動調理ができる「朝ご飯ロボ」の開発を進めている宮武茉子さん。そもそも医学部を目指していた彼女だが、本当にやりたいことを考えた後、現在の進路を選んだのは前編でお伝えした通り。東京大学を選んだのは、意外と堅実な理由だったようだ。
※【前編】の記事はこちら

「工学部なら設備がいいところで学びたいと考えていたんです。東大は国公立の大学の中で、国から一番多くの運営交付金が出ているので、設備も一番充実しているのだろうと思って(笑)。それで、工学部だったら、まずは東大を目指しました」

好きなことは映画鑑賞。「特に洋画が好きです。最近は忙しくてあまり見られてないですけど……」

しかし、合格までの道のりは決して平坦ではなかったようだ。模試の結果はずっとD判定。しかも、試験直前である高校3年生の11月に受けた模試まで変わらなかった。「もう、必死に勉強しました!」と、がむしゃらに受験勉強に打ち込む日々。勉強に対するモチベーションを長く保ち続けるのは大変だったという。

「やる気を保つために空き時間で東大について調べて、大学生活の“イメトレ”までしていました(笑)。大学関連の動画もたくさん見ていて、そのときにたまたま見つけたのが、2014年のNHK大学ロボコンの動画でした」

NHK大学ロボコンとは、日本全国の大学が参加するロボットコンテストのこと(※2015年以降は「NHK学生ロボコン」、高等専門学校や大学校も出場可能)。与えられた競技課題を元に、学生はアイデアを駆使してロボットを制作。技術力と独創力を競い合う大会だ。

「毎年課題は変わるんですが、私が見た2014年は『親子に乾杯』(手動の親ロボットと自動の子ロボットで、シーソーやブランコなど公園の遊具のようなオブジェクトをクリアする速さを競うもの)がテーマでした。大学生になるとこんなすごいものを作れるようになるのかと思って、東大に入ったら“ロボコン”をやりたいと思うようになったんです」

理想の上司は「信頼して任せてくれる人」。その方が、しっかりと結果を残さなくてはと感じて、やる気が出るのだそう

“欲しい”が“作れる”技術力を身に付けたい

イメトレと猛勉強のかいもあり、見事東京大学に入学すると、宮武さんは早速ロボコンサークルの扉をたたく。東大のロボコンサークル「東京大学RoboTech」といえば、ロボコンで何度も優勝している強豪。毎年50人ほどが入部するそうだが、その年の女性はたったの2人。いい意味で「軍隊みたいでした」と表現するほど、統率された厳しさが印象的だったそう。

「入るといきなりチームを組んで、1、2週間でロボットを1体作るんです。ほとんどの人が未経験で入るので最初は回路やプログラミングではなく、ロボの外装などを担当します。アルミパイプを切ったり、ネジを使って組み立てたりしながら、一からロボットを作ることを学びました」

その後、宮武さんは機械班としてロボットの設計などを主に担当するようになる。切削機(せっさくき)や3Dプリンター、レーザーカッターなどを駆使してパーツを作るなど、サークルに所属していた2年間の間にロボット作りの実務を担っていたそうだ。

機械工作作業をするため、サークルでは長ズボンとスニーカー着用が義務。「今はサークルをやめているので、スカートをはける喜びをかみしめています(笑)」

「実は、ロボットなどを専門としているのは機械情報工学科で、私が通う電子情報工学科ではロボットにはあまり触れないんです。なので、サークルでのロボット作りを介して技術力を身に付けられたのは、自分にとってとてもプラスでした」

手に入れた技術は、日常を少し変えた。改造やリメイクをして、欲しいものは自分で作るようになったのだ。例えば、アクリル製のiPhoneケースを0.7mm削り交通系ICカードを収納できるようにしたり、お気に入りのリップケースをUSBメモリに改造したり。メインとなる学業以外のところでも積極的に学び、吸収していく行動力の高さは彼女の長所と言えるだろう。

中央がICカード収納型iPhoneケース、右がリップケースUSBメモリ。USBメモリは、端子を支えるパーツにネコ形の切り抜きを施した設計がポイント

夢は未定……今は可能性を最大限に広げたい

「反省点もあるんです。サークルは強豪ですし、周りのレベルが高かったことで萎縮してしまって自信が持てず、自分の意見を言い出せずにいました。言われたことをこなしているだけでは、それこそロボットと同じ。サークルでは他の部員がいたから成り立っていましたが、今作っている『朝ご飯ロボ』は私1人のプロジェクト。自分の意思がないと何も進みません。サークルはやめてしまいましたが、当時もっとできたことがあったんじゃないかと、少し後悔もしているんです」

1年時に新入生向けの大会で2度優勝。当時は、役に立てていないというモヤモヤがあったそうだ

そういった反省もあって、まずは飛び込んでいこうとする宮武さん。なぜそこまでチャレンジするのかと尋ねてみると、「とにかく何でもできるようになりたいんです」と、真っすぐな目で答えた。

「私の学部はソフトウェア開発がメインですが、以前からソフトもハードも作れるようになりたいと思っていたんです。専門性を突き詰めるのもいいのですが、両方できるとプロジェクト全体に関わることができるようになって、他の人への指示も的確に出せるようになります。その方が、より深くものづくりに関われるエンジニアになれるんじゃないかと思うんです」

過去に参加したインターンでは、プログラミングを2カ月で覚え、WEBアプリのサーバーサイドエンジニアとしてプロジェクトに関わっていたこともあるそう

この先は大学院への進学を決めているが、研究内容についてはまだ模索中だ。

「正直、何かを作って世の中の役に立ちたいとか、そういう気持ちはあまりなくて……。まずは自分がやりたいことや作りたいものを実現できるようになりたいです」

目指すからにはとことん追究。まずは「朝ご飯ロボ」の開発に全力を注ぐ

そんな宮武さんだが、一つだけ明確な目標がある。

「甘い考えに聞こえてしまうかもしれませんが、どこかの医学部に進学して、親の診療所を継ぐ道だってあったと思うんです。でも、その選択肢を捨てて今の道を選んだからには、約束されていたであろう人生よりも成功したい。何を基準に成功とするかは人それぞれだと思いますが、一番分かりやすいところで『親より稼ぐ』を目標にしています。それをエネルギーに、これからも頑張っていきたいですね」

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