理系女子の履歴書

“私流”夢を実現させる方法! 未来を語る前に今すべきこと

日本大学 生物資源科学部 応用生物科学科3年 浅野かおり【後編】

美しき理系女子学生の現在と、夢を実現するためのエネルギーに迫る「理系女子の履歴書」。第9回は日本大学の応用生物科学科に通う浅野かおりさん。「微生物を用いて人の健康に役立つ食品を作りたい」という彼女だが、目標に向かって日々勉学に励む傍らで、動物福祉のボランティアなどの活動にも積極的だ。引っ込み思案だった性格は、それらを通して徐々に変わっていったという。

保護犬・保護猫のためのボランティアでついた自信

タンカーの座礁事故をきっかけに微生物に興味を持ち、現在はその微生物を用いて人の健康に役立つ食品を作りたい、という夢を持つ日本大学 生物資源科学部 応用生物科学科の浅野かおりさん。前編で語られた勉学以外にも目を向けてみると、彼女の他人を思いやる優しい性格が垣間見えてきた。まず最初に触れておきたいのがサークル活動だ。
※【前編】の記事はこちら

「疲れていても、犬や猫たちと触れ合えば元気になれます!」

「サークルというと飲み会とかにぎやかなイメージがありますが、私はみんなでワイワイ騒ぐのが苦手なのもあって、もともとサークルには入るつもりはなかったんです。でも、入学したばかりのころ、一枚のビラを見て気持ちが変わりました」

そのビラというのが、彼女が現在所属している獣医学科学術研究部の動物福祉班のもの。サークルの主な活動は、動物福祉について学び、広めるほか、動物保護施設でのボランティアなど。中でも彼女が力を入れているのは、保護犬・保護猫の里親探しと、シェルター運営をしているNPO法人「フレンズ・オヴ・アニマルズ」でのボランティアだ。

「ビラには『犬や猫をお世話するサークル』と書かれていたんです。私はもともと動物が大好きなので、すぐに入部を決めました。飲み会ばかりじゃなくて、誰かの役に立てるサークルもあるんだ、というのが単純にうれしかったんです」

活動は、シェルターのトイレ掃除や犬の散歩、餌やりなど、至って地道なもの。しかも予想以上に重労働で、軽い気持ちでは絶対に続けられないサークルだと実感しているという。

「例年、新年度には100人くらい入部するんですが、途中で8割の人が辞めてしまうんです。猫だけでも100匹近くいますから、糞尿の処理などは確かに大変なのかも。作業は大変ですが、私は逆に犬や猫たちのかわいさに癒やされています。ただ、もうすぐ引退の時期なので、寂しくなりますね……」

「作業が大変で、嫌になったからといって、中途半端に投げ出すことはしたくないんです」

「サークル活動を経て、忍耐力と自信がつきました。大変に思えることでも、やり始めれば案外、苦じゃなくなるというのも発見です。これからは、多少の困難なら乗り越えていけると思っています」

引っ込み思案な性格を変えたミスコン参加

これまでの話を聞く限り、アクティブな印象を受ける浅野さんだが、実はつい最近までは引っ込み思案な性格だったというから意外だ。以前までの自分であれば、この取材を受けることはなかったという。彼女を大きく変えたのが、学部祭(所属学部の学園祭)で行われたミスコンへの出場だった。

「私が出させてもらった年(2017年)のミスコンは参加者不足だったみたいで、急きょ誘われて出場を決めたんです。他の大学のミスコンに比べてあまり知られていないですし、大学やサークルの活動も含めて、いろんな人に知ってもらえるきっかけになったらいいな、と思って決心しました」

「人前に出ることといえば、高校生までは図書委員長くらいしかやったことがなかったんです」

それまでは、人の評価を気にしてばかりいたという浅野さん。「こんな私でいいのだろうか」と自信がなく、ネガティブに物事を考えてしまうことが多かったそう。だが、ミスコンが始まり、プロのカメラマンに撮影してもらった写真が周囲で評判となる。想像していた反応とのギャップに、本人は驚いたという。

「私でも大丈夫なんだって、ポジティブに考えられるようになりました。つい去年の話ですが、そこから人生が良い方向に変わっていったという実感がすごくあります。ミスコンは人生のターニングポイントと言っても過言ではないですね」

このミスコンで、浅野さんは見事グランプリの座に輝く。まるでシンデレラストーリーのような体験を経て、浅野さんは大きく変わった。以前より外見に気を使うようになっただけでなく、新しいことにも積極的にチャレンジできるようになったという。

理想の上司は、優しく叱ってくれる人。「メンタルが弱々なので、あまり怒りっぽい方だと心がすり切れます(笑)」

自分らしく目の前の目標をコツコツと

言葉の端々から優しい性格が伝わってくる浅野さん。将来の夢は、前編でもお伝えしてきたように、「微生物を用いて人の健康に役立つ食品を作りたい」ということ。就職活動のスタートまであと半年を切り、これからますます忙しい学生生活になっていきそうだが、今後の目標について質問してみると、素直な答えが返ってきた。

「遠くの目標はうまく立てられないタイプで……目の前のことをコツコツやっていく方が得意なんです。なので、いつも目の前の目標を地道に達成していくことを大切にしています」

目の前の目標。それは、腸内細菌について研究する難関研究室に入ること。今はそのための準備を積み重ねているところだ。

動物の標本などが展示されている校内の博物館に足を運ぶこともあるそう

「ゼミ(研究室)の審査では、GPA(テストの点数、出席点、レポートの点数から算出される成績)や、選択している授業の種類なども含めて、適性を厳しく見られるそうなんです。それに加えて、どれだけ自分をアピールできるかが勝負の分かれ目だと思っています。この分野を好きっていう気持ちだけじゃなく、こんなテーマで研究したいという具体的な方向性をしっかり伝えられるように、準備をしたいですね」

研究室での研究において、自分は何を突き詰めるのか。具体的なテーマはまだ模索中だが、「人と環境のために貢献したい」という確固たる意志を持つ彼女ならば、きっとふさわしいテーマを導き出せるはずだ。

夢を実現させるため、目の前の目標に着実に取り組む彼女の今後に期待したい

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