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大人の夏休み自由研究

夏休みの宿題駆け込み寺!1日でできる超簡単自由研究5選

ティーバッグに春雨、納豆を使って簡単&オモシロ実験をやってみよう

8月も残すところあと1日。やり残した宿題に追われる子供たちの中には「自由研究やってなかった!」と焦り、家族総出で対策を練っている家庭も少なくないだろう。そこで今回は、子供たちに理科実験の面白さを伝え続ける筑波大学数理物質系の小林正美准教授に、たった1日でできる面白い5つの実験を教えてもらった。自由研究として発表する際には、観察方法をアレンジすれば、オリジナルレポートになるはず。何を比べるかは、ぜひ親子で話し合っていただきたい。

<実験1>肝試しにも使える!?空中を舞う「火の玉」作り

子供たちの夏の風物詩といえば、キャンプ場などで行う“肝試し”もその一つではないだろうか。とはいえ、実際に妖怪や火の玉に遭遇することはなかなかない?はず。そこで、家にあるものを使って“火の玉”を作る実験をしてみよう。

[用意するもの]

・アルミホイル(きれいなもの)、もしくは陶器の皿
・紅茶のティーバッグ(ステープラーで止められているものが望ましい)
・コップ
・ライター

[実験の流れ]

(1)ティーバッグのステープラーの針を外し、茶葉を取り出す(※コップに入れておけば茶葉は後で飲める)

(2)アルミホイル(または皿)の上に茶葉を抜いたティーバッグの袋を開き、円柱状にして立てる

(3)ライターに火をつけ、袋にゆっくり近づける。このとき、できるだけ風がない、暗いところで行うことが望ましい(※周りに何もない屋外で行ってください)

(4)ティーバッグが燃えると空に舞う。まるで火の玉が漂っているように見える

[どうして火の玉ができるのか?]
実はこの実験は、台湾の人気観光地、十分(シーフェン)の名物である「空を舞うランタン」と同じ仕組みだ。燃やすと、炎のエネルギーによって上昇気流が起こり、燃えて軽くなったティーバッグが、その上昇気流に巻き上げられることで、ふわっと舞い上がるのである。ティーバッグが燃えている間は上昇気流を呼び込むために舞い続けるが、燃え尽きると落ちてくる。

【自由研究アレンジ】
緑茶やコーヒーなど、使用するティーバッグの種類を変えて、どの袋が一番長く舞うか、観察すると面白いはず。ティーバッグは素材や大きさが微妙に異なり、燃焼時間=浮遊時間に違いが出るため、どんな差があるのか観察してみてほしい。

<実験2>超簡単!誰でも作れる「春雨線香花火」

近年、手持ち花火ができる場所が減りつつある。昔は自宅の庭に限らず、近所の公園や河原などで花火をして遊んだ人も少なくないだろう。ならば、どこでも簡単に試せる手作り線香花火を作って、夏の終わりを感じてみてはどうだろうか?

[用意するもの]

・春雨など
・割り箸
・アルミホイル(使用済みのものでも可)
・ライター

[実験の流れ]

(1)春雨の先を割り箸で挟む

(2)アルミホイルを下に敷いて、春雨の下側の先端に火をつける

(3)春雨の先端に炎の玉ができて、パチパチと音を立てながら燃える

[なぜ春雨はパチパチと音を立てて燃えるのか?]
春雨が音を立てながら燃えるのは、その製造法に秘密がある。春雨は原材料を攪拌(かくはん)した後、長細いひも状に形成され、ゆでられる。その後、一度冷凍してから乾燥させていくのだが、この乾燥させる過程で、表面に小さな空胞がたくさんできる。そこが火のエネルギーによって熱せられると、 空気が一気に膨張して小さな爆発を起こし、パチパチと音を立てるのだ。

【自由研究アレンジ】
春雨の生産国(日本、中国、韓国でそれぞれ製造法が異なる)を変えて実験を行い、どれが一番パチパチと音を立てるか、燃焼時間が長いかなどを観察する。

<実験3>食べる前に実験!「ビタミンC」配合のウソ?を見破る方法

季節の変わり目は体調を崩しやすく、残暑バテになったり風邪をひいたりする人も増えるだろう。昨今増加している「ビタミンC配合」のあめは、そんな体のトラブルを予防する強い味方にもなる。しかし、どのあめが一番ビタミンCを含んでいるのか、正直分からない。それを確認できる魔法の実験を紹介しよう。

[用意するもの]

・うがい薬(ヨード系のもの)
・ビタミンC配合のあめ(のどあめでも可)
・透明のグラスか紙コップ
・割り箸

[実験の流れ]

(1)うがい薬をグラスに入れ、水で少し薄める

(2)水で薄めたうがい薬にあめを入れ、割り箸でぐるぐると回す

(3)茶色い液体の色が次第に薄くなっていき、最後は透明になる

[なぜうがい薬が透明になる?]
うがい薬の成分である「ヨード」には、「ヨウ素」が含まれている。そこにビタミンCが投入されることで酸化還元反応が起きる。酸化力の強いヨウ素がビタミンCを酸化し、それと同時にヨウ素は還元されて、無色のヨウ素イオンに変化するため、透明になるのだ。

【自由研究アレンジ】
ビタミンCの含有量が多ければ多いほど早く透明になるため、同じ濃度に薄めたうがい薬にさまざまなあめを入れ、透明になるまでの時間、または混ぜた回数などを観測する。ちなみにこの実験は、あめに限らずレモンの果汁やサプリメントの錠剤を砕いたものなど、ビタミンCを含んだものなら何でも応用可能だ。

<実験4>空き缶が発射台に!「紙コップロケット」を飛ばせ

数多くある理科実験の中でも、特に人気の高い手作りロケットもの。その中でも群を抜いて簡単にできるのが「紙コップロケット」だ。晩酌で飲んたビールの空き缶を利用すれば、すぐにできる簡単実験。いかに高く、いかに遠くまで飛ばせるか工夫して、家族で競い合うのも楽しいはず!

[用意するもの]

・アルミ缶(空き缶)
・紙コップ
・アルコール(消毒用エタノールなどで可)
・霧吹き(アルコールを入れて使用)
・目打ちとプラスドライバー
・ライター

[実験の流れ]

(1)空き缶の口に残っているタブを外し、空き缶の底から3~4cmの位置 に目打ちで穴を開ける

(2)目打ちで開けた穴にプラスドライバーを刺して、穴を広げる

(3)飲み口部分から霧吹きで、缶の内側に2、3回ほどアルコールを吹きかける

(4)手のひらを10回ほどこすって温かくし、穴を指で押さえた缶を手の上で軽くころがして温める

(5)空き缶の上部に、逆さにした紙コップを差し込むように少しきつめにのせ、ドライバーで開けた穴の部分にライターの火を近づける

(6)缶に乗せていた紙コップが勢いよく飛び上がる。※打ち上げ直後は缶の口から青い炎が出ることがあるが、そのときは缶には触れずに、消えるまで待つ

[なぜ紙コップが飛んだのか?]
紙コップロケットの原理は、燃焼という化学反応で運動エネルギーが生じるというもの。実はエンジンと同じ原理であり、空き缶の内側に吹きかけたアルコールを、手で温めることによって気化させ、そこに火を近づけると引火して、爆発が起きる。その勢いで紙コップが飛ぶというわけだ。打ち上げ後に飲み口から息を吹き込めば、アルコールを補充しなくてももう一度飛ばせる。

【自由研究アレンジ】
上記の方法で紙コップロケットを飛ばしたとき、舞い上がる高さは1~3m程度。使用する缶の種類や大きさ、摩擦で缶を温める時間などを変化させると紙コップの飛ぶ高さは変わるのか、また、より高く飛ばすにはどうしたらいいのか、実験してみよう。
※無水エタノールや消毒用エタノール以外を燃料とするのは、安全上控えてください

<実験5>そのまま飲める「発光ドリンク」の作り方

何味なのか全く想像できない、まるで蛍光塗料でも塗られているかのように光るドリンクを作ってみよう。ドリンクだけでなく、普段、食卓に並ぶ“アレ”も光らせることができるとか?

[用意するもの]

・栄養ドリンクなど
・UVライトやブラックライト(100円ショップなどでペン式のものが購入可能)
・透明のグラスや容器

[実験の流れ]

(1)ドリンクを透明の容器に入れる

(2)部屋の明かりを消し、UVライトでドリンクを照らす

(3)ドリンクが緑色に発光する

[栄養ドリンクがなぜ光る?]
発光の正体は「ビタミンB群」。栄養ドリンクに入っているビタミンB群には、紫外線を吸収し、肉眼で見える可視光線を発する。栄養ドリンクの多くは、黄緑蛍光を発するビタミンB2(リボフラビン)を含むため、上の写真のような光を発するわけだ。

【自由研究アレンジ】
一番、発光が分かりやすいのが栄養ドリンクなのだが、含有成分に反応して光るため、ビタミンB群が豊富に含まれる豚・鶏・牛のレバー、卵白、 そ して納豆も光る!ちなみに、納豆の場合は糸に含まれるビタミンB群からの蛍光が見やすいため、しっかりと混ぜてから実験してみよう 。

親子で楽しんだ実験が原体験に

夏休み最後の1日でもできるオススメする理科実験5選は、いかがだったろうか。家庭にあるものでも、物質のエネルギーを応用した科学実験は簡単にできるのだ。

今回、実験を教えてくれた小林准教授は、「小さいころ、飲み終わったビール瓶で10円玉を浮かせる、というマジックのようなものを父親が見せてくれました。それが楽しくて、理科の実験にハマっていったんです。だから皆さんにも親子で楽しんでいただきたいですね」と理科実験の面白さを語ってくれた。

空になったビール瓶の口元に濡らした10円玉を置き、手の熱で瓶を温める。すると、パクパクと10円玉が動き始める。父親が教えてくれた感動が忘れられないという小林准教授

自由研究は、その先の人生にも影響を及ぼす重要な親子の共同作業になるのかもしれない。8月も残すところあと1日。もし子供が頭を抱えていれば、一声かけて、親子で自由研究を楽しんでみてはいかがだろうか?

※火を使う実験は近くに燃えやすいものがないことを確認し、大人が付き添った上で十分注意して行ってください

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