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ヤンマーがミャンマーの米と電力を支える!

もみ殻を活用したバイオマスガス化発電設備が実証試験を開始

小型産業用ディーゼルエンジンのパイオニアであるヤンマーが、東南アジアのミャンマーに進出! 米の収穫の過程で発生する“もみ殻”を活用した大規模なバイオマスガス化発電設備の実証試験をスタートした。

廃棄していたもみ殻で発電!

世界第7位の米の生産量を誇っているミャンマー。東南アジアを代表する稲作大国でありながら、電化率が低く(地方を含めた平均電化率が3割強)精米施設などに安定的に電気を送ることができないのが課題だった。

そこで名乗りを上げたのがヤンマーだ。現地で大量に発生するもみ殻を活用したバイオマスガス化発電施設を、ミャンマーの首都であるネピドーに竣工(しゅんこう)。精米所に併設した分散型電源の施設として、ことし3月23日より本格的に実証実験を開始している。

発電プラントの外観

ディーゼルエンジンの先駆者である同社は、早くから“環境に優しいエネルギー”に着目していた。「すでに日本国内でも下水処理の汚泥や廃食油などの廃棄物を使った発電装置を展開するなど、独自のバイオマスエネルギー技術を確立しています」と語るのは、ヤンマー広報グループの坂田直輝氏だ。

「現地で大量に廃棄されているもみ殻を、弊社が培ってきた技術を応用することでガス化。発電システムの燃料として活用し、また、分散型電源であるコージェネレーション(熱電併給/排熱を利用して熱供給を行うなどの新しいエネルギー供給)システムにより排熱を利用した熱供給も行います。出力は、通常時300kW、最大時で500kWとなっています。1日で100tを精米できる本施設を丸々動かせる程度の電力を作ることができます」(同氏)

籾米の最も外側にある硬い皮が「もみ殻」。脱穀の過程で大量に発生し、焼却処分されることが多い(写真=PIXTA)

現地で排出されたもみ殻。投入量600~1000kg/hで300~500kWの発電が可能

農業用トラクターの開発など、農業と密接に関わっているヤンマーが目指すのは、農業とエネルギーの両面で資源循環型の社会を実現すること。将来的には電力供給の不安定なミャンマーをはじめとする東南アジア各国に、バイオマスガス化発電システムを普及させていくという。

ヤンマーとミャンマー。

名前からして親和性が高い(?)両者の取り組みに、期待せずにはいられない。

発電時の残りカスは肥料になる!

発電のプロセスは、精米所で発生したもみ殻(1日あたり約20t)を貯蓄ホッパーに送り、発電プラント内の炉でガス化する。均一に高温ガス化する技術により、低タール化を実現していることが特徴だ。

このガスをフィルターなどで精製・冷却、コージェネレーションの燃料として使う。発電した電力は、精米設備に供給する。

「発電時に生じた排熱を利用して、もみの乾燥機に熱供給も行います。また、もみ殻燃焼時に排出されるもみ殻チャー(残渣[ざんさ])は肥料成分を含んでいるので、農地に還元することで資源循環型農業に貢献します」(同氏)

発電プラント内のガス化炉

ガスコージェネレーションシステム

従来は環境への影響を防止するための適切なリサイクルや管理を行わず、大量のもみ殻や灰を投棄していたという。今回の施設が造られたことにより、もみ殻由来の電力と熱で精米に必要な電力をまかなうだけでなく、“残りカス”すらも有効利用できるように。循環型エネルギーの可能性を感じさせるシステムである。

もちろん、良質な米を作るためにも、安定した電力供給は欠かせない。ヤンマーは2020年をめどに、施設の数を15に増やすことを目標としている。

かつてミャンマーは、世界一の米輸出国だった。世界有数の稲作地帯で取れるコメが、再び世界市場で日の目を見るか!?

米好きの日本人としては、見逃せない取り組みである。

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