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車選びの常識が変わる?仮想現実でEVライフを体験

アプリがユーザーの走行データを捕捉して分析

電気自動車(以下、EV)やハイブリッド車(以下、HV)で暮らしはどう変わるのか?そんな疑問に対して、VR(仮想現実)でe-モビリティ(EVやHVなど電力により動力を得る車両)のある暮らしが疑似体験できるスマートフォン用アプリ「EQ READY」がメルセデス・ベンツから登場。その詳細をお届けする。

e-モビリティライフをアプリで仮想体験可能に

日本やアメリカと並ぶ自動車大国・ドイツでは、アウトバーン(高速道路)の整備・発達など長距離高速移動に優れる道路事情もあり、市街地走行や短距離移動向きのe-モビリティの普及が遅れていた。

しかし、2016年7月から10年間、EV普及に向けた補助金制度を国が制定。2020年までに100万台のEV普及を目標に、現在、国と自動車メーカーが一体となって制度の拡大を推し進めている。

そうした中でドイツの車メーカーは、徐々にEVへとシフトチェンジしており、このような背景の後押しからメルセデス・ベンツの「EQ READY」は誕生した。

「EQ READY」はe-モビリティへ乗り換えた場合の暮らしの変化をVRで事前に確認できる

スマートフォン用アプリ「EQ READY」は、e-モビリティへの乗り換えを検討しているユーザー向けに開発され、つい先日9月6日にドイツ国内向けに発表したアイテム。

ユーザーが内燃機関(エンジン)搭載車両で行った走行データを分析し、旅行や普段利用と同様の走行を、スマート(メルセデス子会社のコンパクトカー)やメルセデス・ベンツのe-モビリティで走行した場合のデータを算出。これにより燃費やコストなどがどのように変化するのかを、ユーザーは乗り換え前に仮想体験できるというわけだ。

「EQ READY」は、走行データから得られたエネルギー消費、走行距離、タイヤの転がり摩擦係数などの値から車両効率性をシミュレーションするが、このシミュレーション値を実際の走行テストで得られたデータと比較したところ、高いレベルでの一致が確認されたという。

走行データとe-モビリティデータを照合

「EQ READY」を利用するには、同社が提供するポータル“メルセデス ミー”アカウントに名前と電子メールでログインし、アプリのトラッキング(追跡)機能を有効にする必要がある。

トラッキング中のアプリ画面

トラッキング機能は、速度と加速度の他に温度や高度プロファイル(距離や高度)などの周囲パラメータ、停止や休憩などの個人走行データを記録。

記録された走行データは、スマートとメルセデス・ベンツのe-モビリティデータが格納されている“メルセデス ミー”サーバーに送信される。

仮想体験できる車両は、サーバーに格納されているスマートやメルセデス・ベンツのe-モビリティの中から好きな車種を選択できる

そして、ユーザーが選択した車両と走行データを照らし合わせて、範囲およびエネルギー消費に関する個人の値が決定し、そのデータを基に「EQ READY」がe-モビリティで走行した場合のVRを分析し、結果を評価するのだ。

分析結果の一例。内燃機関搭載車両と比較して、追加料金の発生(左)や追加充電(右)の有無を示す

仮想e-モビリティの体験結果をより最適化するために、アプリユーザーは自宅や職場などEVの充電スポットと想定される潜在的充電スタンドを手動で入力することができる。今後は公開されている充電スタンドを含むようにアプリが拡張される予定だ。

なお、プライバシー保護の観点からトラッキング機能はいつでも無効にすることができ、データが記録されている場合は定期的にユーザーへ通知される。

現在、ドイツ語と英語版がリリースされている「EQ READY」。今後は対応する国とさらなる機能の充実が計画、予定されている。

また、前述の“メルセデス ミー”ではこのほど新たなコネクテッドサービスの導入を発表。その内容は、“メルセデス ミー”の利用により、メルセデス車の車内の特定の機能をアマゾンのAI(人工知能)音声アシスタントサービス「アレクサ」で操作可能になるというもの。

例えば、メルセデス車ドライバーが「アレクサ、メルセデスに航続について聞いて」と話すと、次の燃料補給の前に何km走行可能かを教えてくれるのだ。

このように、AI音声アシストの対応や電動車ライフの仮想体験など、ますます進化を遂げるカーエレクトロニクス。

実際の走行に基づいて検証できるVR体験は、一度のテストドライブよりもミスマッチを防ぐ有効な手段といえるだろう。このアプリの普及がもたらす未来は、詳細なシミュレーション値に裏付けされた、ユーザーにとって無駄のない車選びを可能にする時代かもしれない。

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