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過疎地でドローンショッピング!高齢者を支援する配送サービスが試験運用開始

遠出の買い物が困難な高齢者を救う新たな仕掛けとは?

世界に類を見ない超高齢化社会の日本。加えて人口の都市集中によって過疎化した地域ではインフラ整備も遅れ、そこに住まう高齢者が買い物に出掛けるには相当なエネルギーを要する。この切実な問題に対して、ドローンによる解決を模索する日本企業の新たな取り組みをピックアップして紹介する。

移動販売を手掛ける2社がタッグを組んで始動

コンビニエンスストア大手のローソンとIT大手の楽天は「ローソン南相馬小高店(福島県南相馬市)」を拠点として、10月31日(火)より、専用車両による水・木曜の週2回の移動販売に加え、ドローンによる商品配送を毎週木曜の週1回限定でスタートさせると発表。今後、半年間の試験運用において検証を行い、その後の展開が検討されるという。

ローソンでは、2013年より地方の山間地域や都市部の高齢者施設などを中心に、28都道府県の約80店舗で移動販売を実施している。

居住地域のインフラ整備問題や販売店まで出掛けるのが困難な高齢者に対して、コミュニティーセンターなどへ商品を配達する買い物支援を通じて、自宅から外に出て“買い物する楽しみ”や“地域とのつながり”を創出する「地域買い物コミュニティー」の実現を目指しているのだ。

ローソンの移動販売車両

移動販売専用車両は、2016年5月よりそれまで常温・20℃・5℃の3パターンから、常温・20℃・冷蔵・冷凍の4温度帯に対応した車両の導入(2017年9月時点で31台)を進めるなど、より多くの商品提供に努めている。

同車両は、店舗外で売上登録やレシート出力が可能なモバイルPOS(販売時点情報管理/タブレット端末を利用したクラウド型レジサービス)を設置するなど、管理面で優れているのもポイントだ。

対して楽天は、2016年5月より自社専用ドローン「天空」による配送サービス「楽天ドローン」を開始し、ゴルフ場での実施(当時の名称は「そら楽」。プレーヤーはコース場でアプリを使い商品を注文。コース内の受取所まで商品を届けるサービス)や地方自治体などと共同で同サービスの実証実験を重ねていた。

「楽天ドローン」専用ドローン「天空」

「天空」は株式会社 自律制御システム研究所と共同開発され、自律飛行による指定場所までの商品配達を最大の特徴とする。

コントローラーでの複雑な操作を必要とせず、ユーザーからのオーダー後、専用アプリ「ドローンダッシュボード」のボタン1つで離陸から目的地での荷降ろし、帰還までの全てを自動で行えるという優れものだ。

出来たての商品をすぐに消費者へ配送

そんな両社が今回タッグを組み、“コンビニエンスストアの移動販売×ドローン配送”を連携させた背景には、消費者へのさらなるサービス拡充が背景にある。

衛生管理法の規定で移動販売車内での調理加工が禁止され、また持ち運べる温度帯に制限のあるローソン移動販売車両では「からあげクン(R)」や「Lチキ」、「あじフライ」などのフライドフーズが積み込めない現実があった。

この課題に対して、ドローンによる配送という手段を用いて利用者に届けるという狙いがあるわけだ。

移動販売とドローン配送の連携概要図

今回実施される取り組みでは、移動販売先の「小谷集落センター」に注文が入ると、「天空」が「ローソン南相馬小高店」から飛行時間約7分の「小谷集落センター」まで移動販売車と連携して商品を配送するという仕組みだ。

購入できる商品の選択肢が広がることで、遠方まで買い物に出掛けなければならないという地域インフラ問題の解消や、高齢者の買い物支援をより高めてくれるサービスといえるだろう。

今後は出来たての「からあげクン(R)」を消費者に届けることも可能となる

なお、この配送サービス利用にあたり送料は無料。決済方法は現状では現金のみとなるが、クレジットカードや電子マネーへの対応を検討するなど、さらなる利便性の向上を図るとのこと。

ドローン配送の社会実装に向けた第一歩となる今回の連携。今後の展開によっては、過疎地や高齢者に対する買い物支援、ひいては地域社会の発展に貢献してくれそうだ。

日本中どこにいても変わらない豊かな暮らしをもたらす社会構築エネルギーが、日本を代表する企業から間もなく生まれようとしている。

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