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国内初!EV向けワイヤレス充電システムの受注開始

車種を問わずにワイヤレスでの充電が可能に

電力インフラ関連製品を製造・販売する株式会社ダイヘンが11月1日、EV(電気自動車)の非接触充電を可能にするワイヤレス充電システムの商品化を発表した。設置場所さえあれば街中でも充電できるという画期的なアイテム。今後インフラ普及を加速させるのか注目だ。

あらゆるEVへのワイヤレス充電を実現

ダイヘンが実証実験用として、現在、国内外から受注を受け付けているのが「D-Broad EV」。これは、EV向けワイヤレス充電器としては日本初の商品(ダイヘン調べ)となる。

11月から注文の受け付けをスタート、2018年4月から引き渡しの予定。将来的には商業施設の駐車場などへの販売を目指すという。

ダイヘンから実証実験用に受注が開始された「D-Broad EV」。送電コイル(左)と送電ユニット(右)

今後、本格的なEV時代に突入するとされる自動車産業。充電にかかる時間や航続距離への不安、インフラ整備の遅れ、屋外での充電作業による手の汚れなど、抱えている問題はまだまだ多い。そして、これらの問題を解決するカギになると考えられているのが非接触での充電だ。

例えば、買い物に出かけた際に店の駐車場にワイヤレス充電器が設置されていたとする。そこに駐車しておけば、買い物をしている間に自動で充電が済ませられるというわけだ。

まさに冒頭に述べたEVの問題点の解決にうってつけであるが、ここで新たな問題が発生する。それはワイヤレス充電器が車の受電コイルの出力クラスや車高など規格の異なるあらゆる車種に対応したものでなければならないということだ。

そこで「D-Broad EV」は、EV向けワイヤレス充電の商品化に向けて、米国自動車技術会(SAE)の規格に沿って開発された。その結果、最大地上高は250mm、最大入力電力11kWでの急速充電を可能にしたという。

SAE【J2954】の規格図

これは乗用車用途として最も大きな電力を必要とするWPT3までを網羅し、全車種の地上高に対応していることを示している。

つまりダイヘンのワイヤレス充電システムを使えば、車種を問わずさまざまなEVへのワイヤレス充電ができるというわけだ。

街中でのつぎ足し充電で利便性も向上?

これを実現しているのが、長距離および大電力伝送を特徴とする最先端技術“磁界共鳴方式”の採用だ。

磁界共鳴方式とは、送電側と受電側の双方のコイルにコンデンサを埋め込み、磁界共鳴させて電力を伝送する方式。この方式によるEV向け11kWシステムの商品化は世界初になるとのこと。

「D-Broad EV」による充電イメージ

「D-Broad EV」は、交流電力を高周波電力に変換するスタンド(または壁掛け)タイプの送電ユニットと高周波電力を磁界エネルギーに変換する送電コイルの2つで構成。送電コイルと車両に搭載される受電コイルを磁界共鳴させることで、ワイヤレス充電させる仕組みだ。

また、受電コイルが送電コイルの真上になくとも、多少のズレであればお構いなし、高効率の充電を維持するのもポイントだ。

「D-Broad EV」を用いたワイヤレス充電は、10分で約17km、30分で約50kmを走行するのに必要な電力を充電するという。出先の短時間でこれだけ充電できるというのはなんとも心強い。

異常を感知するなど安全対策も施される

さらに、送受電コイル間に空き缶などの金属が誤って置かれた場合、それらを検知して送電をストップ。LEDが赤く点灯してドライバーに状況を知らせるなど、異常発熱による事故を防ぐ手立ても対応・処置されている。これも街中での使用を想定してのことだ。

同社ワイヤレス給電システム部部長の鶴田氏は「これら以外にも“手軽に充電できる機会を増やす”というのも解決策であると考えています。ワイヤレス充電インフラの普及は、より使いやすいEVの普及を促進し、低環境負荷社会の実現に貢献していきたいですね」と今後の展望を語っている。

今後、社会インフラとして配備が進められた場合、ドライブの休憩中につぎ足し充電、気が付けば長距離移動が可能になっていた…。そんな未来がもうすぐそこまで来ている。

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