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モビリティの未来を感じさせる、イタリア生まれのEVシティコミューター「BIRO」

全長1740×全幅1030×全高1565(mm)で、乗用車1台分のスペースに「BIRO」4台が駐車可能なコンパクト設計がウリ!

日産やBMWをはじめ、世界中の自動車メーカーがこぞって手掛ける電気自動車(以下、EV)。そんな中、大手とは異なるアプローチで誕生したのが、イタリア発のEV「BIRO」(ビロ)だ。昨年4月に日本初のショールームを大阪(「BIRO STORE Osaka」)に開設したのに続き、去る6月26日に東京・八丁堀駅近くに「BIRO STORE Tokyo」をオープンした。その初日に訪問して試乗してきた模様をレポートする。

トラクターのキャビンから生まれた小型EV

イタリア生まれの超小型シティコミューター「BIRO」。

開発したのはイタリアのメーカー・エストリマ社。元々はトラクターなどの農業機械や土木機械のキャビンを製造していたが、その工程で培ったノウハウを基に新たなモビリティの開発に乗り出したという。代表のマッテオ・マエストリ氏はその理由をこう語る。

生みの親であるマッテオ・マエストリ氏もイタリアからお祝いに駆け付けた

「都市部に暮らしていると、クルマで自由に移動したり駐車場を見つけたりするのが難しいですよね。どうすれば都市での移動がスムーズに行えるのか──。その質を改善しようと思ったときに、超小型のコミューターがあれば良いと考えました。だからコンセプトは『I’m Easy.』なんです」

道路の幅に対する「BIRO」の小ささがよく分かる

“都市部におけるモータリゼーションが持つ課題”は大きく2つある、とマエストリ氏は言う。

「渋滞問題と、排ガスなど環境面に配慮すべき課題です。われわれが培ってきたトラクターなどのキャビンを作る技術をもってコンパクトなEVを開発すれば、その2つの課題をクリアできると考えたわけです」

目標は定まったものの、開発はトライ&エラーの連続だったとのこと。マエストリ氏は「識者に教えを請いながら、とにかく自分たちで造っていった。失敗してもめげずに続けたんだ」と力強く言う。

「BIRO」の生みの親であるエストリマ社の代表、マッテオ・マエストリ氏とBIRO JAPANの桂田宗慶代表

そうして完成した「BIRO」が最初にリリースされたのは2009年6月。

以来、イタリア国内はもちろん、交通インフラの先進性が高いオランダ(アムステルダムへの出荷が最多)などヨーロッパ各国で展開することで、これまで約3000台の「BIRO」を販売。2010年と2011年にはイタリアで最も販売されたEVになった。

市街地走行も充電も“Easy”(イージー)に!

では、「BIRO」はどんなEVなのだろうか──。

まず目を引くのはそのコンパクトさ。全長1740mm、全幅1030mm、全高1565mmと、普通自動車用の駐車スペースに4台も止めることができる驚きのサイズなのだ。

サイドドアがない「サマー」。エアコンが備わらない「BIRO」の夏仕様は、いかにもイタリアンな感覚だ

これを車両後部に搭載したバッテリーとモーターで後輪を駆動して走らせる。最高速度も45km/hと、都市部の一般道をちょい乗りするには十分な性能。

バッテリーは固定式と脱着式の2種類を用意。固定式であれば1回の充電で100km以上の走行が可能だ。

また、簡単に取り外しができる脱着式バッテリーは航続距離がおよそ55kmにとどまるものの、自宅やオフィスに持ち込んですぐに充電できるというメリットを持つ。充電完了までは2~4時間程度。完全に充電が終了していなくても走行することはもちろん可能だ。

脱着式バッテリーはキャリーバッグのように車輪を備えており、持ち運びを容易にしている

もちろん日本の道路交通法に対応し、普通自動車免許での運転が可能。登録上は自動車重量税や自動車取得税がかからない「ミニカー」のため、車検や車庫証明も必要ない。任意保険もファミリーバイクで対応しているので、維持経費は原付スクーター並みだ。

ただし「ミニカー」のため、乗車定員は1名のみとなる。※現地イタリアでは2人乗りで利用されている

試乗の印象だが、都市部を走るのであれば動力性能は必要十分。乗り心地は若干硬めでゴツゴツとした印象もあったが、長距離ドライブをするわけではないので、それほど気にはならないだろう。快適装備としてはBluetooth対応のスピーカーを用意。スマホの音楽を聴くことはもちろん、ハンズフリー通話も可能だ。

シンプルなインパネ。ステアリングの上にBluetooth対応スピーカーが備わる。その下に見えるスイッチがシフト。また走行中、一時的にパワーを上げるブーストボタンなども完備する

ラインアップは現在4種。サイドドアなしの「サマー」(98万円)、サイドドアありの「ウインター」(123万円)、後部に荷物を積むことができるハッチバックを用意した「ビッグ」(138万円)、その「ビッグ」をベースにさらなる収納を可能とした「ボックス」(148万円/いずれも税別)をそろえる。

これにバッテリー代60万円(脱着式、固定式とも)が加わる。すでに国内でも個人はもちろん、法人のビジネスユースなどで購入している人もいるそうだ。

今回の東京に続き、年内には名古屋にもショールームをオープン予定とのこと。都市に暮らす人を中心にPRを進めていくという。イタリア生まれのしゃれたデザインと共に、新たな移動手段としての可能性がどこまで広がっていくか、注目だ。

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