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風力発電による電力を駅で利用!秋田県のJR男鹿駅が新「エコステ」モデル駅に

風力発電と連係するリチウムイオン蓄電システムが効率的な電力利用をサポート

7月1日より新駅舎の営業を開始した秋田県男鹿市のJR男鹿駅。新たに生まれ変わった同駅には、小形風力発電設備の導入や自然採光、屋根遮熱効果などさまざまな創エネ(自らエネルギーを創り出すこと)・省エネの工夫が見受けられる。駅のエコ化に向けたJR東日本(東日本旅客鉄道株式会社)の取り組みをご紹介する。

風力発電状況をシステムが判断し最適化

省エネルギーを実現したり、再生可能エネルギーを活用するなどのさまざまな環境保全技術を駅に導入することを目的としてJR東日本が取り組んでいる「エコステ」。

「創エネ・省エネ・エコ実感・環境調和」の4つを柱として、それぞれのエコメニューを駅に導入、推進を進めている。

これまでに、四ツ谷駅(東京都)、武蔵溝ノ口駅(神奈川県)、平泉駅(岩手県)、海浜幕張駅(千葉県)、福島駅・湯本駅(福島県)、浦和駅(埼玉県)、新津駅(新潟県)、小淵沢駅(山梨県)の9駅が「エコステ」モデル駅として誕生。第1弾の四ツ谷駅では、LED照明や屋上緑化など計17のエコメニューを採用し、2008年度と比較してCO2排出量の約41%削減に成功(2014年度)している。

そして今回、10駅目としてJR男鹿駅(秋田県)が新たなモデル駅として加わった。

「エコステ」モデル駅として新たに生まれ変わったJR男鹿駅舎

写真提供:JR東日本秋田支社

新男鹿駅舎は、「創エネ」の一環として、ゼファー株式会社製の小型風力発電機「Zephyr9000(4.9kW)」を9基導入し、駅構内に設置。さらに、株式会社YAMABISHIが開発した風力発電との連係機能を実装する公共産業用リチウムイオン蓄電システムを取り入れ、今夏運用が開始された。発電した電力は、駅設備などのほか一部は交流蓄電池駆動電車「ACCUM」の運行に使用される予定だ。
※秋田─男鹿駅間を結ぶ男鹿線に導入されている「ACCUM」など、JR東日本の蓄電池車やハイブリッド化に関する記事はこちら

導入されたYAMABISHIの蓄電システム「YRWシリーズ」は、新男鹿駅舎の電力利用量と風力発電の瞬時電力を比較し、蓄電池の活用によって風力発電の余剰分の自家消費を促すというもの。

独自開発された双方向電源装置とリチウムイオン蓄電池で構成される蓄電システム「YRWシリーズ」。公共施設や病院、大学や工場などへの導入実績がある

写真提供:YAMABISHI

具体的には、駅舎の電力利用量より風力発電量が多い場合は逆潮流しないように蓄電池へ充電し、反対に風力発電量が小さいときには逆潮流しない範囲で蓄電池から電力を放電する仕組みになっている。

また、蓄電池が満充電に到達すると、駅舎の電力利用量とのバランスが取れるまで部分的に風車の動きを停止。加えて、災害時の停電など緊急事態に対するBCP(Business Continuity Planning/事業継続計画)対策用に一定のSOC(State Of Charge/電気容量に対して充電している電気量の比率)を備えるなど、きめ細かな制御もウリといえる。

線路横に設置される小形風力発電設備。駅のほか、一部は交流蓄電池駆動電車「ACCUM」にも使用されている

写真提供:JR東日本秋田支社

JR東日本では、男鹿地域の豊富な風力を利用した小形風力発電が、特に冬の時季において駅舎の使用総電力を賄うことで、CO2排出量削減につなげていきたい考えだ。

CO2削減という環境課題を、再生可能エネルギー活用やさまざまな工夫を導入することによって解決を目指すJR東日本の取り組み。

われわれが日常利用する公共交通機関。今後「エコステ」モデル駅がさらに広がっていくことを期待したい。

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