理系女子の履歴書

目指すは世界一!優れた技術を広める化粧品業界のマーケッターになりたい

慶應義塾大学 理工学部 応用化学科 3年 清水彩花【後編】

美しき理系女子学生の現在と、夢を実現するためのエネルギーに迫る「理系女子の履歴書」。第12回は、慶應義塾大学 理工学部 応用化学科 3年の清水彩花さん。後編では、就職活動を始めたばかりでもある彼女の将来就きたい職業、そして“理系女子”に目覚めた原点に迫った。

頭が悪いと思われたくない!努力の価値を学んだ芸能活動

2019年4月から、PM2.5など大気中の汚染物質が人間に与える影響についての研究を始めるという慶應義塾大学 理工学部 応用化学科 3年の清水彩花さん。前編では、どんなことにも前向きで、全力で取り組もうとする姿が印象的だったが、高校でも1年生のころから勉強に打ち込み、現役で慶應義塾大学に入学している。
※【前編】の記事はこちら

「特に何がしたいか決まっていた訳ではないんですが、自分の進路は広げられた方がいいと思ったので、高校1年のころから大学受験に向けて準備していました」

「子供のころから家族でキャンプに行っていたこともあって、自然が大好きです。休日にはハイキングに行くこともありますよ」

「だって、将来何があるか分からないじゃないですか」と笑う彼女。当時、高校1年生にしては大人びた思考だが、それには、あるきっかけがあったという。

「実は私、小学4年生から高校1年生まで、芸能活動をしていたんです。芸能活動って不安定だし、スケジュールが突然決まることもあって、学校のテストを受けられなかったこともありました」

そんなときにふと生じたのが将来への不安——。芸能活動をいつまで続けるかは決めていなかったが、彼女にとって生活を大学受験に切り替えていくことは、保険的な意味合いもあったようだ。

「芸能活動をしていた当時は、人気絶頂だった子役の子が出していた歌のバックダンサーもしていたんですよ」

勉強に目覚めたのは、中学3年生のとき。“芸能活動をしているから頭が悪い”と思われるのが嫌で「地域で一番の高校に行く!」と火が付いた。当時の成績からすると、先生にはちょっと難しいんじゃない?と言われたそうだが、芸能活動の移動中や控え室で時間を見つけてはコツコツと勉強していたという。

「中学でも高校でも勉強を頑張れたのは、芸能活動をやっていたおかげです。努力する楽しさを教えてくれた芸能活動と勉強。両方やり遂げることができたからこそ、今の“やりたいことは全部頑張ろう”っていう私がいるんです」

化学の知見を生かしてマーケティングのプロになる

そんな清水さんは現在、就職活動中でもある。希望しているのは、化粧品業界だ。

「子供のころに芸能活動をしていたので、私にとって化粧はずっと、やってもらうものでした。でも大学1年生のときにミス慶應理工コンテスト(慶應義塾大学 理工学部のミスコンテスト)に出たことがきっかけで、初めて自分でファンデーションを買ったんです。つけてみたら周りの人から肌のきれいさをほめてもらえて。それがとてもうれしかった。“美”って、人に自信を与える力があると思うんです。自信を持つとその日の行動が変わるし、行動が変われば人生もどんどん変わっていく。それを実感しているので、そんなすてきな化粧品を世の中に届けている会社で働きたいって思っています」

「化粧を自分でするようになって、身近な友達から褒めてもらえるのがすごくうれしくて。自信になりました」

応用化学科で学ぶ彼女であれば、新しい化粧品を開発する研究職を希望するのかと思いきや、彼女が目指しているのはマーケティング。一体なぜなのだろうか。

「 “人の役に立ちたい”が私の信条。どんなに優れた技術や製品でも役に立たなければ意味がない、と考えたとき、役に立つかどうかは、その優れたものを『どうやって人に届けるか』というマーケティングが大切なんだと思うんです」

優れた技術は世の中にたくさんある。しかし研究者たちがどんなに頑張って研究しても、それを世に広める人がいないと無駄になってしまう。

「絶対マーケティングをやりたい!と思ったのは、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンTMをV字回復させたマーケター・戦略家の森岡毅さんの本を読んだことがきっかけでした」

「私は理系で、ものづくりをする人たちがすごく身近にいます。だからこそ、つくるのは優秀な人たちに任せて、私は世の中に広める人になろう。そう思えたのかもしれません。世の中にどんな課題があるのか、何が求められているのか、そしてそれに見合った技術を、必要とする人たちに向けてどんな言葉で発信するのか。今はそういうことを考えるのが、すごく楽しいんです」

入りたいのは世界一を目指している企業

就職活動で、インターンシップや面接、説明会などさまざまな企業に赴くと、抱いていたイメージとのギャップに驚くこともあるという。

「私が入りたいのは、世界でNo.1を目指している企業。やっぱり働くなら、化学に関わっていきたいのはもちろんですが、自分も成長できるような、向上心がある会社がいいと思っています。でも、実際に会社を訪れてみると、思っていたよりも保守的な会社で、そもそも新規事業を生み出すことを考えていない社風とか。今まで10社以上のインターンシップを経験しているんですけど、“勢い”を感じる会社というのが意外と少なくて……」

「成長したいと思っているので、何でも許してくれるような人は嫌ですね。頭ごなしに怒られるのは別ですが、ちゃんと叱ってほしいです」

やっと希望を数社に絞り込んだという。そして同時に取り組んでいるのが、マーケティングの勉強と、理系ならではの武器でもある論理的な思考力を高めること。そして、自己分析だ。

清水さんにとってのエネルギーは「やりがい」。「私にとっての幸せは、人の役に立つこと。自分の能力を発揮して、それが認められるのがうれしいんです。つまり、やりがいを感じることが幸せにつながっていると信じています」

「いろいろ迷走していて、自己分析が終わらないのは悩みの一つなのですが(笑)。今までさまざまな経験をして培ってきた行動力や責任感、決断力を生かして、希望の会社に入れるように100%の全力で頑張っていきたいです」

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