2017.7.13
ロボットが“マインドフルネス瞑想”をナビゲートする時代に!
世界初!AI×マインドフルネス体験プロジェクトがスタート
呼吸や姿勢などに集中することで、心身のリラックスや創造力の向上を期待できる「マインドフルネス瞑想(めいそう)」。昨今、世界中のビジネスマンに注目されている手法を、なんとAIを搭載したロボットに誘導されながら気軽に体験できるプロジェクトが誕生した。ストレス社会に生きる現代人の“救世主”となるか!?
脳波に合ったアプローチでベストな集中状態へ!
「呼吸に意識を集中しましょう」「雑念が出てきたら、また呼吸に意識を戻しましょう」といったセリフをささやきながら、脳波センサーと心拍計の情報を基にロボットが理想的な瞑想状態に導いてくれる──。
「CREATIVE FLOW_ER」と名付けられたこのプロジェクトは、AIとマインドフルネスを組み合わせた世界初の試みだ。
マッキャン・ワールドグループ ホールディングスなど大企業の若手が集う有志団体「One JAPAN」と、株式会社リトルソフトウェアが共同開発。6月28日~30日に東京ビッグサイトで開催された「第1回 AI・人工知能 EXPO」にて、デモンストレーションが披露された。
マインドフルネス瞑想をナビゲートするロボットの名前は「CRE-P(クリップ)」。富士ゼロックスの有志による非公式集団「秘密結社わるだ組」、McCANN MILLENNIALS、IBM Millennial Corps Japan、東芝OPEN ROOTSなど、One JAPANの参加団体の所属する企業が持つさまざまなセンサーや認知技術が連携して誕生したロボットだ。
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「第1回 AI・人工知能 EXPO」で披露された「CRE-P」。高さ約20cmの小型ロボット
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展示ブースでは、白衣を着たスタッフによる案内で「CRE-P」によるマインドフルネス瞑想が行われた
実際のデモンストレーションは、まずスタッフが体験者の顔写真を撮影して、脳波センサーと心拍計を装着させる。すると、リトルソフトウエアの提供する脳波情報を感性に変換するアルゴリズムを使用して、体験者の“感性タイプ”をスクリーンに表示する。
「マイペースで孤高のタイプ」「喜怒哀楽がはっきり出るタイプ」など、感性タイプは5種類あり、それぞれ花に見立てて体験者の顔写真と共に表示される。
その後、リアルタイムの脳波状況に合わせて「CRE-P」が最適なマインドフルネス瞑想の誘導を行う。高い集中状態である“フロー(FLOW)”に近づくにつれて、体験者の頭の上の花が咲くという演出を採用している。描き出される花の種類は5種類だが、花びらの色は、感情・感覚によって12種類あり、自分だけのオリジナルの花が出来上がる。
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脳波タイプとフロー状態の表示例。フローのパーセンテージ、数値が高いほど集中力・創造性が高い状態とされている
非常にデザイン性が高く、単純に脳波診断ゲームとしても楽しめそう。気になるのは、肝心のマインドフルネス瞑想への誘導を行う「CRE-P」の実力(精度)だ。
誰もが潜在能力を開花できる時代に!?
マインドフルネスは、日本の第一人者といわれる一般社団法人 マインドフルリーダーシップインスティテュートが監修している。
「CRE-P」と一緒に座ると、フローの数値が低ければ「雑音が気になっている自分も、ありのままに感じてみよう」といった旨のセリフをささやいたり、集中力が高い状態のときは話しかけないで黙っていたり、脳波状況に合わせたベストなアプローチで理想的なフロー状態に導いてくれる。
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「CRE-P」と対面してマインドフルネス瞑想を行う様子
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首を振ってセリフをささやくなど、複数人の体験者に同時に対応することも可能
スムーズに集中することができるかどうかは個人差が大きいが、それは人対人のマインドフルネス研修などでも同じ。むしろ脳波という客観的なデータを基に誘導されている分、ロボットが相手の方が安心して身を委ねられる人も少なくないはず。
この「CREATIVE FLOW_ER」プロジェクトを主導するOne JAPANは、今後もパフォーマンスを向上させるための実証実験を進めていくという。
将来的には、「CRE-P」が会議のファシリテーターとなってクリエイティブな会話に導いたり、一対一の対話を重ねてアイデア捻出をアシストするような展開も見据えている。
近い将来、会社や家庭に“マインドフルネスロボ”が置かれるようになったら、人間がロボットに支配される時代の幕開け……。ではなく、AI技術によって人間一人一人の創造性が底上げされる可能性を秘めた、明るい未来を予感させる試みである。
ちなみに「CREATIVE FLOW_ER」は、10月3日(火)~6日(金)に開催される予定の日本最大級のIT展示会「CEATEC JAPAN 2017」(幕張メッセ)でもデモンストレーションが行われる予定。
ロボットに“開花”される、新感覚の体験をするチャンスである。
【CREATIVE FLOW_ER】公式サイト…https://creative-flower.jp
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text:浅原 聡