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究極の“エコ大学”を目指す日本初の取り組み

自然エネルギー100%大学の誕生なるか?

千葉商科大学は11月13日、“自然エネルギー100%大学”を目指すと宣言した。その内容は2020年度までに市川キャンパスの消費エネルギー量を、同大が所有するメガソーラー野田発電所などの発電量で全てまかなうというもの。実現すれば恐らく日本初となる“エコ大学”の取り組みを紹介する。

実現に向けて大学と学生が一体で取り組む

2015年度に、メガソーラー野田発電所の発電量と市川キャンパスの消費電力量を同量にすることを目指す「省エネ・創エネプロジェクト」を立ち上げた同大。

きっかけは2014年4月から稼働を開始したメガソーラー野田発電所にある。2014年度は336万kWhの発電を記録し、これは同年度における市川キャンパスで消費された電力の実に77%に相当する数値だったという。

つまり、残りの23%をキャンパス内の“省エネ”と“創エネ”で賄うことができれば、自然エネルギー100%のエコキャンパスを実現できることが判明したのだ。

省エネ・創エネに本気で取り組む学生たち

そこで同大では自然エネルギー100%のエコキャンパス化に向け、学生が主導する形で、建物内外の温度計測や無駄な電力消費の調査、節電意識に関する学内アンケートの実施など、プロジェクトに取り組んできた。

この活動が2017年、原科幸彦学長が掲げる基本戦略の下、教育及び研究・社会貢献を推進する学長プロジェクトの「環境・エネルギー」に継承され、先日の発表へとつながったわけだ。

大学敷地内の太陽光パネル

主目的は施設の充実と学生の意識向上

同大では自然エネルギー100%大学実現に向けて、ハードウェア、ソフトウェア、そして学生主導による省エネ活動の3つを大きな柱としてその拡充を図るという。

ハードウェアでは既存の太陽光発電に加え、メガソーラー野田発電所の太陽パネルを増設し、発電量を約17%高めることを目標にしている。そのほか、学内の電球のLED化や太陽光冷暖房の設置を進め、効率的なエネルギー利用が進められる。

ソフトウェアは、EMS(エネルギーマネジメントシステム)や消費電力・発電量の管理、エネルギーを最適化する制御を取り入れるなど、電力の可視化と制御に力を入れていく予定だ。
※「EMS」については特集「スマートシティ大解剖@柏の葉」第2回参照

節電週間アクション「打ち水で涼しく大作戦」で水をまく学生たち

そして、これまでにも行われていたエネルギーの無駄調査や打ち水などの学生主導の活動は継続し、学生たちの省エネ意識を啓発していくという。

例えば、今年7月下旬の6日間で実施された節電週間アクション「打ち水で涼しく大作戦」では、打ち水前後の温度変化をサーモグラフィで撮影。温度の変化を画像で確認することで、クーラーに頼らない夏の過ごし方を考えるなど、省エネの意識付けを継続中だ。

自然エネルギー100%大学実現に向けたイメージ図

これらの取り組みを行いながら、2段階のプロセスを踏んで自然エネルギー100%大学を実現させる計画を立てている。

まず2018年度は、主に照明のLED化や省エネ活動により市川キャンパスの消費電力と同量のエネルギーの生産を目標にしている。

そして、太陽熱冷暖房の設置など全ての拡充が進む2020年度には、ガスを含めた市川キャンパスの総消費エネルギーの全てを賄うというのが描くロードマップだ。

エネルギーの地産地消に向けた全体構想イメージ

さらに同大では、エネルギーの地産地消を持続可能にするエネルギービジネスとして、CUCエネルギー株式会社を設立し、同大への省エネ機器のリース事業を開始。

加えて、CUCエネルギー株式会社を通して地域の自然エネルギーを売買する構想のほか、省エネに関する包括的なサービスなどを地域に提供していくという。

大学の消費エネルギーを学内で生産し、さらには地域のエネルギー事情をも支える今回の取り組み。大学のエコ化はもちろん、今後のエネルギー社会を形成する仕組みとなりうるか要注目だ。

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