2018.3.16
これぞ未来の食事!飲むだけで必要な栄養が取れる完全食COMPが現代人を救う
株式会社コンプ 代表取締役CEO 鈴木優太
食事――。人間が活動していくためには必須となる行為だが、何かに夢中になっている人にとってみれば、その時間すらも惜しいと思うこともあるだろう。そのソリューションとして注目を集めているのが「完全バランス栄養食COMP(コンプ)」だ。多様化する現代人の生活スタイルに、この製品がもたらす変化とは。開発した株式会社コンプの代表取締役CEO、鈴木優太氏に聞いた。
栄養と時間を与えてくれる新たな食事
「忙しい毎日を送る中でも、コミュニケーションとしての食事は大切です。でも、そうは言っていられないときってありますよね。手軽で健康的、そんな食事ができればいいですが、難しいのが現状です。私たちの『完全食COMP』は、そのような悩みを解決するために生まれました」
そう語るのは、株式会社コンプ代表取締役CEOであり、COMPを開発した鈴木優太氏。COMPとは、人の健康に欠かせない必須栄養素を全て取ることができる、いわゆる「完全食」と呼ばれる食品のこと。パウダー、ドリンク、グミタイプがあり、飲むだけで“食事”が完了してしまうという画期的な食品だ。
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COMPを開発した鈴木優太氏。「COMPは、一部を補うものという意味のサプリメント(supplement)の対義語として、全てを満たすもの、という意味のコンプリメント(complement)なんです」
サプリメントやプロテインなどと決定的に違うのは、単体で食事になるという点。一般的にサプリメントは、肉や野菜といった食品を摂取した上で、自分に足りない栄養素を別に取り入れるもの。しかし、COMPは人間にとって必須とされる栄養素(必須アミノ酸・必須脂肪酸・ビタミン・ミネラル・食物繊維)の全てをバランスよく配合しており、従来の食事自体をCOMPに置き換えることが可能だそう。
「必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラル、食物繊維など、人間に必要な栄養素は最低でも41種類あると言われています。厚生労働省が定める基準に基づいて、その全ての栄養素を理想的なバランスで配合しています。極論すれば、COMPだけを摂取しても生きていくことができるでしょう」
栄養素をバランスよく摂取する。健康を意識したことがあればたびたび耳にする言葉だが、実現するのはとても難しい。外食ばかりでは栄養が偏るし、自炊したとしても、栄養のスペシャリストでもなければ、効率よくかつ均整の取れた食事を取ることは困難だろう。サプリメントで補助するのも方法の一つだが、自分にどの栄養素がどれくらい足りていないのかを正確に把握するのは、一般人には不可能に近い。
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「COMP v.4.0」に含まれる栄養素の配合グラフ。ナトリウムに限っては「基準を下回ること」が必要とされているため、ボーダーラインより低い値となっている
画像提供:株式会社コンプ
しかし、全ての栄養素を補完できるといっても、空腹が満たされないことには、食事として成立しないのではないだろうか。
「そしゃくすることなど、人間の満腹中枢が刺激される要因はいくつかあるのですが、一番大きな要因は血糖値が上がることなんです。COMPには血糖値を上げる3大栄養素(糖類・脂質・タンパク質)が満遍なく入っているので、摂取することで満腹感が得られます。しかも、緩やかに体に吸収されるため、腹持ちが良く、眠くなりにくい。食後の眠気で集中力が続かなくなることはありません」
粉末や飲料と摂取方法の違いはあるが、食事にかかる時間はものの数分。健康維持と満腹感を与えてくれる上、これまで食事に割いていた時間を短縮できる。まさに未来の食事といっても過言ではない。
「忙しいときこそ栄養バランスは崩れやすい。食事を手軽なコンビニに頼ってしまうのが最たる例で、往々にしてある種の糖質や塩分が過多になるため、とにかく体に良くない。それを続けていると、最悪、生活習慣病になる可能性があります。それらの食事をCOMPに置き換えることの意義は、明白ではないでしょうか」
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現在の市販されている製品ラインアップ。左からパウダータイプ(400kcal/96g、4000kcal/964g)、グミタイプ(400kcal/105g)、ドリンクタイプ(1000kcal/1000ml※2018年4月1日発売予定)の3種類
画像提供:株式会社コンプ
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中でもドリンクタイプは注いで飲むだけという手軽さ。数分もあれば食事が完了してしまう。一般的な成人男性の体格で、880ml飲めば1食分の必須栄養素と必要カロリーを摂取できる
画像提供:株式会社コンプ
「食事の時間はムダ」熱中から生まれた完全食
この完全食が生まれた背景には、何を隠そう、開発者である鈴木氏自身の“必要”があった。
「学生時代に石油化学を研究していたのですが、毎日が発見の日々で、とにかく研究に没頭することが楽しかったんです。家に帰れば、趣味でゲームのプログラミングをしていまして、公私共に抜け道のない生活を送っていたんですよ。そういう生活をしていると食事の時間がムダに感じてきて、苦痛で仕方がなかった。なので、時短で食べられる栄養補助食品を山ほど買って、毎日食べていたんです」
しかし、いくら必要なカロリーを摂取できたとしても、当然、そんな生活は長くは続かず、ついには栄養失調で倒れてしまう。その最中に出合ったのが、シリコンバレーで生まれたアメリカ版の完全食「ソイレント」だった。
「2013年にソイレントが発売されたのを知って『これで生きていこう』と思ったんです。とはいえ、当時は個人輸入するしか方法なくて、コストが見合わない。それでも完全食というものを知ってしまったので、どうしてもそれを享受したいという苦悩がありました。そこでソイレントが公開していたレシピを参考に、材料を集めて自作してみたんです」
初めて作った完全食は粉末を液体に溶かすタイプ。味はひどいものだったが、食事にして生活してみると効果は抜群だった。そしゃくをしていないのにおなかが満たされ、体調が良い状態が続く。「不思議な感覚だった」と鈴木氏は回想する。自作品のレシピをネット上に公開したところ反響が大きく、起業を決意した。
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市販されているパウダータイプのベーシックなCOMP。水やジュースなどの液体に溶かして飲む。2018年2月のリニューアルを経て、COMP POWDER v.4.0にバージョンアップされた
画像提供:株式会社コンプ
「事業を始めるにあたって実際にどれだけ売れるのかというのは重要な部分で、まずはクラウドファンディングで支援者を募るところから始めました。200万円を目標に設定していて、到達しなかったらニーズがないのだから諦めようと思っていたんです。でも結果は倍額を集めることができました」
現在に至るまで、COMPは特に研究や開発の現場に身を置く人々から購入されているそう。かつての鈴木氏のように、何かに熱中する人にとっては、まさに夢の食品だったというわけだ。
「経営者の本によく書いてあることですが、重要なこと以外の意思決定をいかに排除するかが、忙しい人たちにとってとても重要なことなんです。例えばアップル社のスティーブ・ジョブズ氏は黒いタートルネックばかりを着ていたことで知られていますが、それは何を着るかという意思決定を排除するためだ、という説が有力ですよね。同じように、何を食べるかを考えたくないというニーズはかなりあったんです」
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UHA味覚糖との共同開発で実現した、世界初となるグミタイプの完全食。そしゃく性や味覚的なおいしさ、そして携帯性を備えている
画像提供:株式会社コンプ
30年遅れている国の基準を超える
「COMPが基準としている厚生労働省の指針は5年ごとに刷新されているのですが、実はその度に内容が結構変わっているんです」と鈴木氏。これが何を意味しているかと言うと、栄養の分野はまだまだ解明されていないことが多いということだ。
「先ほど人間に必要な栄養素が『“最低でも”41種類』と言ったのはそういうことで、国の基準は少し古いデータを基に設定されているものなんです。例えば厚生労働省が定める必須栄養素に食物繊維が仲間入りをしたのは2000年のことですが、栄養学の分野では食物繊維が人間に必要だという立証は、実は1970年代にほぼ完了していたんです。実に約30年も遅れている。ですので、国に歩調を合わせていてよいのかということを最近とても考えていて。一企業である僕たちが率先することで、真の健康を提供できるようになるのではないかと思っています」
2018年2月には、その思いを反映してリニューアルを実施した。現在市販されている粉末タイプは、厚生労働省が定めた「日本人の食事摂取基準(2015年度版)」の枠組みを初めて超える、最新の栄養学に基づいた新しいCOMPになっている。
「今販売している『COMP POWDER v.4.0』では、国の基準には設定されていないけれど、確実に人間の健康増進に役立つ重要な栄養素を加えました。具体的にはシナモンエキスで、これに含まれるタイプAポリマーという成分を摂取すると糖質の代謝が良くなることが分かっています。もちろん、食物繊維と同じでエビデンスは確立されています」
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現在の栄養学は、健康的な状態をいかに延ばすかというフェーズに入っているという鈴木氏
「栄養って、本来は人間の健康や幸せにおいて、誰もが直面するクリティカルな問題だと思います。でも、学校ではしっかりと教えられていませんよね。国語・算数・理科・社会がどれだけできても、健康を維持できなければ死んでしまいます。栄養リテラシーが育っていないことによって、健康寿命が損なわれているという現状がある。そこへの社会貢献は確実にあると思っています」
同社によれば、現在COMPの購入層は、ITエンジニアやクリエイター、ビジネスのスタートアップを目指す起業家たちだという。未来の国力を担う彼らに栄養と時間というエネルギーを提供できているということは、鈴木氏も誇らしく思っているそうだ。確実に食事の概念を変える可能性のあるCOMPだが、既存の食事方法を駆逐しようとするものではない。
「幸せな人生を送るための一つの手段になってほしいと願っています。なので、コミュニケーションやおいしさを求める従来の食事方法を否定するものではないんです。今後は、一般的な食事のメニューに完全な栄養バランスを付与するということもやっていきたいと思っていて。例えばコンビニの弁当やカレー、ラーメンが完全食だったらうれしいですよね。何気なく食べている普段の食事を完全食にすることは、技術的に可能だと考えています」
食事にエンターテインメント性を見いだした現代では忘れられがちだが、本来の食事の目的といえば、生きるために必要なエネルギーを摂取することにあるはず。その目的に沿った新たな食事のあり方を提案するCOMPは、現代人の多様性を完全なるスタイルに導いてくれる救世主なのかもしれない。
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text:石井 良 photo:西村 洋