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2017.3.14
名作アニメの主人公が飲んでいたスーパードリンクのエネルギー量とは?
地球を割るほどのロボットのエネルギー源を考察してみた
空想世界で描かれたワクワクする未来を、エネルギー文脈から分析する好評のEMIRA連載。第4回のテーマは、アニメや特撮で描かれた「地球割り」をするロボットのすさまじいエネルギー源について考察する。
“ちたま(地球)”を割るパワーの源は人類史上最強の発明品
空想の世界には、数多くのロボットが登場する。彼らは、さまざまなエネルギーで動いていたが、今回は、現実の科学をはるかに超えた原理で稼働する3体を紹介しよう。それらを分析することは、生きていく上で有意義なヒントを提供することになる…かもしれない!
まずは『Dr.スランプ』(マンガは1980年~、アニメは1981年~)。
主人公である少女型ロボット・アラレちゃんは、驚くべきエネルギー源で動く。
その名はロボビタンA。
哺乳瓶に入っていて、アラレちゃんはこれをゴクゴク飲んでエネルギーを補給する。中身が何であるかは作品中で明らかにされたことはないが、その補給方法から考えて、おそらく何らかのエネルギーを生み出す液体であろう。
ロボビタンAのすごさは、アラレちゃんの常軌を逸した強さから浮かび上がってくる。両手を広げて「キィーン!」と叫びながら疾走し、パトカーを跳ね飛ばす!恐竜を山の向こうや月まで投げる!
中でも、最大のエネルギーを発揮したシーンは衝撃的だった。スッパマンがパンチで瓦を割って見せると、アラレちゃんはまねをして地面を「ほいっ」と殴る。すると、地球がスイカのように真っ二つに割れたのだ!
これに必要なエネルギーはどれほどだろうか。
注目すべきは、まさにスイカ割りのように、南極あたりがつながったまま、北極付近が左右に分かれたこと。その破断面同士の距離は、最大で地球の直径の10分の1ほどだ。
マンガでは大した距離ではないように見えるけれど、地球の直径は1万2800㎞もある。つまり、アラレちゃんは、地球を割っただけではなく、2つの破片を互いの重力に逆らって1280㎞も引き離したことになる。
計算してみると、これはもうとんでもないエネルギーだ。エネルギーの単位は「J(ジュール)」で、100gの物体を1m持ち上げるのに必要なエネルギーが1J。1Wの電力を1秒間発生させるエネルギーも1Jだ。
この単位を使って、アラレちゃんが発揮したと見られるエネルギーを示すと、2.8×(10の30乗)Jとなる。
数字で書けば、2,800,000,000,000,000,000,000,000,000,000J。
これは全世界で消費しているエネルギーの62億年分である!
アラレちゃんも、ロボビタンAも、則巻千兵衛博士の発明品だ。哺乳瓶の容量が300mℓだとすると、ロボビタンAが1滴(0.05mℓ)あれば、人類は100万年暮らせることになる。則巻博士には、世紀の超絶天才の名をささげても、まるっきり足りません。
こちらもすごいぞ、光子力!
さらに興味深いのは『マジンガーZ』(アニメ、マンガ共に1972年~)であろう。この名機は、光子力(こうしりょく)で動く。
光子力とは、光の力を利用する技術で、現実世界でも恒星間宇宙ロケットの推進力として構想されている。
マジンガーZでは、富士山麓の地下から強烈な光を放つ新元素・ジャパニウムが発見され、それを利用した光子力の技術が完成されていた。
だが、ロケットはともかく、ロボットを光子力で動かすのは問題だと思う。光の力は極めて弱い。
マジンガーZは全高18m、重量20t、出力95万馬力と設定されていた。95万馬力とは70万kWに等しく、火力発電所に匹敵するものすごいパワーだが、これを有する光が出す力とは、たったの240g。ここ、単位にご注意。「g」なんです、グラム!
これで必殺ロケットパンチを放つと、どうなるか?
ロケットパンチとは、肘から先が飛んでいき、拳で敵の機械獣をぶち抜いて戻ってくるという技である。肘から先の重量を全重量の5%=1tとして、マジンガーZが腕を水平に突き出して、肩の高さ15mからロケットパンチを発射したとすると、飛距離は3.6mm。今度の単位は、ミリメートル! 肘から先をポロっと落とすだけ!
光子力は、弱い力を長期間にわたって出すのに向いている。だから超長距離ロケットへの応用が期待されているわけだ。
そしてついに…無限力!
惑星の破壊はイデオン(アニメ『伝説巨神イデオン』1980年~)もやっている。
イデオンは全高105m、重量5650t。両手から、イデオンソードという光線を放ち、上から下に操作して惑星ステッキン・スターを真っ二つに切断した!
同惑星が地球と同じサイズおよび組成で、切断した幅が1mだったとすると、放ったエネルギーは5.2×(10の24乗)Jだ。このイデオンのエネルギー源は何か?それは「イデの無限力」だという。む、無限!? だとしたらもう、間違いなく宇宙最強だ!
地球をほいっとたたき割り、光の力で悪と戦い、宇宙を超えるエネルギーを内包するロボットたち。
これらを生んだ想像力は、科学の進歩とともにたくましさを増してきた。それに刺激され、科学もますます進歩するのだろう。空想の世界のロボットたちに、科学と想像の幸せな関係が示されているのではないだろうか。
人間の想像力は、本当にスバラシイ!
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イラスト:古川幸卯子
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