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省エネや防災対策をもっと手軽に、賢く実現! 初期費用ゼロで始めるマイホームのエネルギーマネジメント

家庭の省エネを推進するTEPCOホームテックが「エネカリ」で見据える未来

世界が脱炭素社会の実現に向けて本格的に舵を切りだした昨今。家庭内のエネルギー=電気をいかに効率よく運用するか?は、マイホーム選びにおいて、より重要さを増している。二酸化炭素(CO2)を出さず電気を作ること、その電力を蓄えて賢く使用する、さらには災害時における電源の確保といった、これからの時代の家庭内エネルギーのセルフマネジメントを支えるサービスが「エネカリ」である。今回は「エネカリ」の特徴や事業のビジョンを伺い、より豊かな未来を子供たちへ託すことにつながる家づくりのヒントを見出す。

サブスクリプションで始める省エネと防災

電力の小売販売が全面自由化され、電気の価格競争が本格化した2016年から1年──。

新築・既存住宅の省エネ化を企画・提案するTEPCOホームテック株式会社では、家庭の電力供給におけるニーズに対し総合的に役立つサービスはできないか?と考えて「エネカリ」事業を立ち上げた。

「エネカリは、太陽光発電システムやエコキュート(電気給湯器)、蓄電池といった家庭のエネルギー設備を、すべて初期費用0円でご提供し、月々の利用料をお支払いいただくサブスクリプション型のサービスです」

同社取締役副社長 兼 経営戦略本部長・下司知夫(げし ともお)氏は解説する。

サブスクリプション・サービスは「創エネ」「蓄エネ」「省エネ」に区分。3つのサービスを住宅環境に合わせて複合的に、または単独で利用が可能

「近年の地震、台風・豪雨被害の頻発や、コロナ禍による在宅勤務の定着を背景に、 これからの時代は、ご家庭単位での省エネや電気料金の削減、防災への意識がより高まってくると、私たちは考えています。その上でエネルギー設備は長期的に光熱費の削減や防災に大変役立つものですが、設置に数十万~数百万円のコストを要することが導入のハードルとなっていました。そこで、エネルギー設備を定額で貸し出す“サブスクリプション”サービスとして始めたのが『エネカリ』です。貸し出し期間は10年もしくは15年間で、ご利用期間中は24時間365日、コールセンターが受け付け、メンテナンスやトラブルへ対応し、期間満了後は設備をご家庭へ無償譲渡します」

「お客さまごとのシミュレーションを経て、より適したサービスをご提案しています」と話す下司氏。「10~15年の保証期間を終えたエコキュートの交換やソーラーパネル設置を希望される際にご検討いただくケースが多いですね」

「太陽光発電でつくられた電気は家庭で使う以外に余剰分を“売電する”ことができます。国が定める再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)や、FIT期間終了後の電力会社による余剰買取から得られる売電収入に加えて、太陽光発電の自家消費による光熱費削減により、エネカリの月々の利用料と差し引いても元を取ることが可能です。また、買取制度の終了(卒FIT)後についても事前にシミュレーションを行い、例えば最初は太陽光発電のみご契約いただき、卒FITに合わせて蓄電池を導入していただく、といった具合に、より効率的な省エネライフへの移行を見据えて、収支バランスに合わせたご提案を行っています。

ソーラーパネルも、実態として20年間は発電能力を維持すると言われており、契約期間後も十分使用可能です。メンテナンスも契約満了以降、何らかの形で継続できるよう、サービスを開発していきたいと考えています。これはエネカリをお客さまへご提案いただいているハウスメーカーからも強く要望されています」

※導入設備:太陽光発電システム 4.44kW 固定買取単価:24円

ソーラーエネカリを導入した家庭の1年間の収支事例(1年目)。太陽光発電の自家消費で電気料金を実質3/4以下に抑え、さらに売電収入がエネカリ利用料を上回り、トータルで大幅な出費減となっている

変わりつつある家庭における電力のあり方

2017年11月よりスタートしたTEPCOホームテックは、ことし6月現在で施工件数が1万件を超えた。設置した太陽光発電は「スギ林に例えると、年間で植林670本分に相当するCO2削減効果を生んでいます」と下司氏は話す。

「導入きっかけの多くは、光熱費の削減を目的とした太陽光発電への関心です。蓄電池も、停電への備えとして防災目的で併せて導入されています」

とはいえ、エネカリが「災害時のバックアップ電源として活用できることなど、防災観点への関心はまだまだ低い」とのことだが、ことし2月13日に発生した福島県沖地震(宮城県と福島県で最大震度6強を観測)の際に、この機能が静かに存在感を示していたという。

「23時8分の地震発生直後、同10分から2時間ほど関東地方で送電が制御され、およそ86万件が一時停電しました。この間、蓄電池導入世帯では自動的に“自立モード”に移行され、日中に太陽光でつくった電気、または蓄電池の電気が用いられています。深夜の出来事でしたので、朝まで停電に気が付かず、ご近所同士での会話で停電があったことをお知りになったようでした」

家庭における太陽光発電はテレビや冷蔵庫、照明などライフライン維持に必要な電力を十分賄え、蓄電池があれば日中は洗濯機を回せ、夜は冷蔵庫、扇風機を使っても十分賄える電力が確保できる。2019年の台風15号による被害後に太陽光発電協会が行ったアンケートによると、被災地区の太陽光発電利用世帯の約8割が、停電時に太陽光を有効に活用できたと回答

エネカリの加入ターゲットは元来、家庭における太陽光発電や蓄電池導入への興味関心が高い人々に偏っていた。だが、その状況も変わりつつあるという。

「マイホームの購入、特に新築であれば間取りや建材、内装など、お客さまが悩み、決めなければならないことが多々あり、住宅メーカーの立場からするとそのサポートに精いっぱいで、太陽光発電や蓄電池などエネルギー設備周りまでは提案することが難しかったのではないかと推察しています。

ですが昨今、政府主導での脱炭素社会へのシフトが本格化し、かつ年々危惧される防災観点から、マイホームにおけるエネルギー設備の重要性が増し、住宅メーカーの捉え方も変わってきています。そこでエネカリのようなサブスクリプションならば、住宅の販売価格を上げることなく提案できるといったメリットから、ことしに入って住宅メーカーや工務店からの問い合わせが増えています」

太陽光発電システム、蓄電池、機器、3タイプのエネカリを複合的に用いたマイホームのイメージ図。太陽光発電や蓄電池による電力でEV(電気自動車)を利用し、逆に災害時にEVの電気を家庭の電気にあてがうV2Hとの連動も可能。発電から運用を自立的かつ効果的に行うことができる

こうした意識の変化はマイホームの構造にも変化を起こしている。

「新築する際、これまでは天窓を付けたり、居住空間の容積を意識した屋根のデザインが主流でしたが、いかにソーラーパネルを設置して効率よく発電できるかという観点でデザインするケースが出始めています。近年は屋根瓦との一体型ソーラーパネルなども開発されていますので、マイホームの屋根のスタイルは新たな進化を引き起こすかもしれません。

そういう観点からも脱炭素社会のマイホーム選びは、太陽光発電システムの知識が豊富な住宅メーカー、そしてエネルギー関連設備の設置からメンテナンスまで信頼のおける業者選びが大切で、後者は私たちがエネカリを通してしっかりご対応を、と考えています」

エネカリ普及が実現させる“電力の見える化”と“電力の新たな使い方”

昨年9月、太陽光発電の動きをスマートフォンのアプリで確認できるサービスをスタートさせた同社。

これは東京電力グループのエナジーゲートウェイが提供するAIとIoTの最新技術を使った住宅設備サービスのポータルアプリ「econowa(エコノワ)」を搭載し、電気の使用量・発電量や家電の使用状況をリアルタイムで「見える化」するという特徴を持つ。

さらにアプリ上ではユーザーから問い合わせることも、TEPCOホームテックからお知らせを送信することも可能となっており、双方向コミュニケーションを実現させるものである。

「econowa」は太陽光による発電量、自家消費量、売電量、家庭内の電気使用時間、消費量、家電の使用状況をまとめて「見える化」。今後は、太陽光発電システムの不具合をいち早く検知し伝える双方向サービスにも対応し、賢く無駄のない省エネ生活をアシストする

※画面はイメージ

エネカリとeconowaを連携させた経緯を下司氏はこう話す。

「元々は太陽光発電システムをよりコストダウンできないか?と考え始めたのがきっかけでした。従来のシステムは住居に稼働状況を確認するモニターを設置していました。ですが、代わりにアプリで把握できれば、モニター設置のコストが抑えられ、より精密な情報をいつでもどこでもリアルタイムに確認できるようになります。ソーラーエネカリの利用者からは、『詳細なデータからどのように光熱費が下がっているかが分かるとうれしい』という、より詳細を求めるニーズが多く、『晴れの日はアプリを見るのが楽しくなる』など喜びの声をいただいています」

econowaの導入においては分電盤に小さな電力センサーを装着する必要があるが、この工程は太陽光発電システムの設置工事の中に組み込めるので、取り付けに関する利用者側の負担はゼロ。さらに電力センサーの取り付けは、同社にも大きなメリットがあるそうだ。

「電力の詳細な利用状況のデータが得られることで、例えば高齢者や一人暮らし向けの見守りサービスとの連携や、近い将来は気象情報と組み合わせて、蓄電池やエコキュートを遠隔でコントロールすることで電力が不足する時間帯をシフトしたり、送配電網の逼迫(ひっぱく)を回避したりするなど、新しいサービスを提供できるようになるでしょう。まだ新しいサービスで利用者は数十件ほどですが、とても精緻なデータが取れています。今後、このサービスが普及し電力の利用状況がネットワーク化され、画期的なサービスが生まれるかもしれません」

「電力センサーの取得データからは、ソーラーパネルのパワーコンディショナーの故障も推測できます。パワーコンディショナーの故障は長期間で見ると故障する可能性が高い機器ですが、従来のモニターでは故障かどうかは分かりませんでしたが、今後はこちらからお客さまへアプリを介して連絡することもできます」

エネカリが支える豊かなマイホーム・ライフ

初期費用ゼロで、マイホームで太陽光発電&蓄電をサブスクリプションで利用できる未来志向のサービス。

そんなエネカリを通して、同社はどんな未来づくりをアシストしたいと考えているのか。

「ご家庭の省エネ生活に貢献すると共に、災害時に電力をいかに確保するかを考えて、備えていただけたらと思います。エネカリの普及を通して、そのことをお客さまにお伝えしていきたいですね。また、エネカリで自家発電、蓄電して、売電し、状況をeconowaで観測することが日常的になれば、そのご家庭で育つお子さまにとって電気を学び、ご理解いただく機会になるのであれば、さらに喜ばしいことです」

かつて屋根に輝くソーラーパネルに憧れてエネカリを始めた家庭が生まれたように、そこで育った子どもたちは、これからの未来、どんな省エネ生活を送るのだろうか。

そんなエネルギーへの意識の連鎖を、エネカリは確かにアシストしていく。

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