2017.8.24
鉄道模型にもAR!ジオラマ世界の走行体験が可能に
アプリで運転するカメラ内蔵車両「ジオラマエクスプローラー」開発
大人の愛好者も多い鉄道ジオラマに革命を起こすアイテムが、クラウドファンディング「Makuake」に登場した。それがカメラを搭載した車両をアプリで操作して運転する「ジオラマエクスプローラー」だ。プラレールなどでは既に商品化されているが、鉄道模型に新たな楽しみ方をもたらす最新アイテムとして、その詳細をお届け。
ジオラマ世界でリアル走行体験
「ジオラマエクスプローラー」は、主にBtoB(Business to Business)のアプリケーション開発を手掛ける株式会社システムゼウス初の自社製品として世に出された。
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HOゲージ(レール間隔16.5mm、縮尺1/87の鉄道模型規格)のカメラカー(写真左)とNゲージ(レール間隔9mm、縮尺1/148-1/160の鉄道模型規格)のカメラカー(写真右)
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Nゲージ用ジオラマエクスプローラーセット
ジオラマエクスプローラーは、Nゲージ用またはHOゲージ用のカメラカーボディー単品の他、いずれかのカメラカーボディーとBLEパワーパック(Bluetooth Low Energyパワーユニット)、AppStore/GooglePlayからダウンロードできるアプリのセット。
これらを楽しむためにはその他に、アプリをダウンロードするタブレットやスマートフォン、ジオラマエクスプローラーで使用するソニー製のアクションカム(Nゲージ用…HDR-AZ1/HOゲージ用…HDR-AS50)、カメラカーの台車、カメラカーの動力車(Nゲージのみ)、レールや鉄道ジオラマを別途準備する必要がある。
「Makuake」では、Nゲージ用またはHOゲージ用のカメラカーボディー単品コース(4000円~)の他、Nゲージ用カメラカーボディー、BLEパワーパック、アプリのセットが5000円割引の「4万5000円(税込)コース」や、HOゲージ用カメラカーボディー、BLEパワーパック、アプリのセットが5000円割引の「4万9000円(税込)コース」などを用意している。2018年3月に出荷開始予定だ。
※割引は早割の数量限定価格、数量到達次第価格変動あり
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実際に使う様子
使い方は、いたってシンプル。カメラカーボディーに台車とアクションカムを取り付け(Nゲージの場合はさらに動力車を後ろに連結)、BLEパワーパックとアプリを接続。あとはカメラカー(車両)をジオラマにセットし、ダウンロードしたアプリで操作する。
実際に使い始めると、アプリ画面にはカメラカーからの映像が表示される。これまでは外から俯瞰(ふかん)して眺めるしかなかった鉄道ジオラマの世界に入り込んだような気分が楽しめるというわけだ。
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操作中のアプリ画面。まるで自分が運転しているような臨場感を味わうことができる
ジオラマエクスプローラーの遊び方は多岐にわたる。複数の模型車両を用意し、対向列車を走らせれば迫力のある擦れ違いを、同じレール上を同じ方向に走らせれば目の前の車両を追いかけるといった普段ではありえない光景を見ることができる。
また、ジオラマエクスプローラーで使用するソニー製のアクションカムは、暗い中でもキレイに映像を映し出すので、夜の街を疾走する感覚も楽しめるのだ。
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夜の帳(とばり)が下りた街の走行も旅情をそそる
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速度メーターやマスコン(アクセル)などが表示
アプリ操作で電力をレールに送り込む
ジオラマエクスプローラーが動く仕組みは、Nゲージ及びHOゲージの鉄道模型同様、レールに流れる直流電源を車輪で集電することでモーターを回転させている。
しかし、市販のパワーパックのコントローラー部分をアプリに切り出していることがポイントだ。
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ジオラマエクスプローラーの概念図
アクションカムからの映像は、アプリがWi-Fiで受信して画面に表示。加えてアプリで操作した内容をBLE通信によりBLEパワーパックに送信し、DCフィーダー(配線)を介してレールに電力を供給している。
その電力が台車から動力モーターへと通電し、カメラカーを走行させているという仕組み。アプリの果たす役割が大きいことがお分かりいただけることだろう。
新たな視点での楽しさを提供してくれるジオラマエクスプローラーだが、遊ぶためにはいくつか注意点がある。
まず一番のネックが、Nゲージ用カメラカーに必要となるソニーのアクションカム「HDR-AZ1」が2016年に生産中止となっていること。
すでに同アクションカムを所有していれば何ら問題ないが、同時購入を検討する場合は要注意だ。
次にソニー アクションカム「HDR-AZ1」を載せたNゲージ用カメラカーだが、通常のNゲージ鉄道模型に比べてサイズが大きいため、ジオラマによっては駅や架線、高架部品、トンネルの壁などに接触してしまい、走行できない場合がある。
その他、用意したタブレット・スマホやWi-Fiの特性によって、映像のカクつきが発生したり、Wi-FiとBLEが同時に使用できない機種はジオラマエクスプローラーの操作に適さない。
画面の中にしか存在しないVR(仮想現実)やゲームでの疑似体験とは異なり、カタチのある世界に入り込む感覚を得られるAR(拡張現実)技術。
今回は鉄道模型だが、例えばロボットにこの技術が採用されたら、人が家から出ることなくロボットを操作し、仕事や買い物に出かけることも理論的には可能になるはずだ。
いずれは現実世界が巨大なジオラマとなる日もやってくるのだろうか?
クラウドファンディング【Makuake】公式サイト…
https://www.makuake.com/project/diorama-explorer/
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text:安藤康之