2017.9.7
“着るデバイス”で誰でもゴルフの達人になれる時代が到来!?
センサー付きのシャツが着用者の動きをトラッキング!
カメラを使わずに、シャツを着るだけでスマホ画面でゴルフやランニングのフォームを確認できる“スマートアパレル”が登場。デスクワーク中の姿勢チェックやVRゲームへの応用など、使い道は十人十色。今後はデザインやブランドではなく、ハイテク機能で服を選ぶことが、できる男の常識になる!?
14のセンサーで繊細な動きをも感知!
東大発のベンチャー企業であるXenoma(ゼノマ)が、ユーザーの動きを認識するスマートアパレル「e-skin」(イースキン)を個人向けに提供開始した。
これまではヘルスケアやスポーツトレーニング業界の法人用にのみ展開していた商品だったが、量産体制を確立したことにより、廉価でプロダクトを提供できるように。8月初旬より、海外のクラウドファンディングサイト「 Kickstarter」(キックスターター)で販売が開始された。
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材質はポリエステルが80%、伸縮性に優れたスパンデックスが20%。XSからXXLまで、男女各6サイズ展開
e-skinは、一見すると夜間ランナー向けのトレーニングウェアに見える。
しかし、左右に7本ずつ施されたラインは走行車のライトを反射するリフレクターではなく、ユーザーの体の伸縮を感知するセンサーだ。
腕の曲げ伸ばしはもちろん、肩の動き、体・腕のねじりもキャッチ。そして、胸に取り付けることができる着脱式のハブを経由して、Bluetoothによってセンサーからの信号をPCなどに発信する仕組みだ。
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ハブの重量は約70.6g。Micro USBポートから充電し、約4時間の連続使用が可能
シャツの腹部にはセンサーが入っていないが、ハブに6軸のジャイロセンサーが備わっているため、上半身の傾きもしっかり検知できるという。
最大の特徴は、伸縮の強弱を読み取れること。カメラでは捉えきれない筋肉の隆起なども正確に読み取ることができる点が、従来のウェアラブルデバイスにはない強みとなる。これを利用すれば、ゴルフや野球などのフォームチェックをはじめ、ヘルスケアや職人技能の習練、ゲームにも応用が利くという。
例えば、e-skinをVRゲームと連携させれば、パンチの動きをするとVRゲーム内のキャラクターも同じようにパンチをする。“自分の体がコントローラーになる”という、ゲーマーにとっては夢のようなユーザー体験が可能になるのだ。
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VRゲームのコントローラー代わりに使用すれば、必殺技を出した際の爽快感も段違いだ
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就寝時の姿勢をモニタリングするなど、ヘルスケアの一環で使用することも可能
また、使用する場所の制限が少ないのも特徴。
これまでにも、ゴルフの練習施設でスマホを固定してスイングを撮影することはできたが、e-skinは屋外のゴルフコースを回っているときでも動きをトラッキングしてくれる。実戦で正しいスイングができているかを、いとも簡単に確認できるのだ。
それでいて、しっかり洗濯にも対応しているのがうれしいところ。通常の使い方をしていれば、水や皮脂によってセンサーが問題を起こすようなことはないという。
将来は心電や血糖値も読み取れるように!?
e-skinのユーザーは、Xenomaが用意しているアプリでさまざまな体験ができる。
「Running/Fitness」アプリでは、腕を振ったり、ジャンプしたり、ユーザーの動きに合わせて画面上のキャラクターが動き、運動による消費カロリーも表示してくれる。
また、「Yoga」アプリでは、ユーザーの動きに音や光が連動して深い精神統一をサポートする。
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ゴルフのスイングを計測できる「SWING」アプリも用意されている
一方、開発者向けの「Data Tracker」アプリでは、e-skinを着ている人の動きのlogデータを保存し、グラフで可視化することも可能。
ディープラーニングを利用して、オリジナルのジェスチャーを認識させたり、それを利用したゲームを開発したりすることができるのだ。
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ディープラーニングにより動作検出精度を向上させられるため、着用者のデータを蓄積していけば新体験のゲームを開発できる
Xenomaによると、現在は心電や体温を感知できるe-skinのプロトタイプを製作中。将来的には血糖値などの幅広いバイタルサインをモニターできるようにしたいと考えているという。
また、現時点ではシャツのみの展開だが、パンツも開発中だという。体に異常が起こる予兆が察知できるようになれば、今まさに高齢化社会が問題視されている日本で必需品になるかもしれない。
Kickstarterでの販売価格は479ドル(約5万3000円)から。先着100セットを予定しているため、最先端のユーザー体験を味わいたいなら早めにチェックしてみてはいかがだろうか。
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text:浅原 聡