2017.11.20
座りながらの運動が可能な椅子登場!オフィスで働くビジネスマンの仕事&健康をサポート
“座る”から“乗る”へ!仕事中の運動でエネルギー消費効率を高めよ
座っているだけでエネルギー消費を促すほか、脳を活性化させて仕事もはかどるという一石二鳥の椅子が登場した。長時間同じ姿勢をとり続ける機会の多いデスクワーカーの強い味方となりうる進化系椅子のポテンシャルに注目。
心地よいリズムを生み、体と脳を活性化させる椅子
コクヨ株式会社が11月7日から販売を開始した椅子「ing(イング)」は、“座るを解放する”がコンセプト。
世界の主要20カ国と比べ、平日の座位時間が最も長いといわれている日本。勤勉な日本人ならではという気もするが、長時間の着座は健康リスクも指摘されているのが現状だ。
問題となるのは“長い時間を同じ姿勢で過ごす”という点。この問題の本質は、座っていても立っていても大きな違いはないところにある。
早稲田大学スポーツ科学学術院教授 岡 浩一朗氏は「ing」の発表にあたり、「座り過ぎが体に悪いといわれていますが、だからといって、立って仕事をしようというのは解釈が少し違います。本当に悪いのは座っていることではなく、座り過ぎで体を動かさないこと」とコメントしている。
そもそも、人体は動くことを前提に体が仕組み作られており、この問題解決のためにこれまでは意識的に姿勢を変える必要があった。
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さまざまに動きをサポートする「ing」の機能概要
しかし「ing」はその点に変革をもたらした。
座面下に搭載する360度自由に動く「グライディング・メカ」に2層構造を採用。これにより座面が前後左右に動く仕組みになっており、前傾や後傾、左右や斜めのひねりなど人の体の微細な動きにまで対応してくれる。
また、バランスボールのように動き始めの負荷がない。そのため、体を動かしやすく、また動いた後はブランコのような揺り戻しがあるため、安心して体を動かせるのもポイント。
いわば体を支えるだけの“止まる椅子”から“乗る椅子”へと進化した「ing」。これまで意識的に動くことで行われていた体と脳の活性化が、座るだけで自然と体が揺れ動くことにより、無意識のうちに行えるわけだ。
自然と体が動くことで、体圧がバランスよく分散され体への負担を軽減、正しい姿勢である背骨のS字形状を自然に保つなどの効果が期待できる。さらに、体格や体重に合わせて自然にメカが追随するため、レバー調整などが不要でどんな体格にもフィットする。
下の図はその効果を検証するために、「ing」と通常の椅子を使って行われた実験結果を示した図だ。
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「ing」を使用した実験結果の図
動画がこちら
4時間座るだけで約1.5kmのウォーキング効果が期待
「ing」に座ってデスクワークをした場合では、従来の椅子と比べて肩と腰の筋肉の活動が確認された。また、4時間座ってデスクワークをするだけで、実にウォーキング約1.5kmの運動量と、おにぎり約1/2個に相当する約85kcalのエネルギーが消費されているから驚きだ。
そしてさらに、「ing」で60分間揺れながら作業した際の脳波を検証した結果、リラックスした状態を示すα波と活発な思考や集中した状態を表すβ波がそれぞれ増加。実際に被験者はアイデアの発想数が13%向上した結果からも、この精神状態は仕事を進める上で非常に重要と考えられる。
まさに、現代社会を生きるビジネスマンにとって心強いアイテムの誕生といえるのではないだろうか。
座るという行動の概念を打ち壊した「ing」。世界で最も座る時間が長いといわれる日本人のワークスタイルに一石を投じ、今後、新たな働き方を生み出すエネルギーをも秘めているのかもしれない。
【ing公式サイト】
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text:安藤康之