2017.12.22
設置型から移動型へ!押して運べる進化系ソーラー充電スタンドが発売開始
太陽光パネルによる発電でスマホの屋外充電も可能
電気メーカーのシャープは12月6日、移動可能型ソーラー充電スタンド「LN-CB1AA」の販売を開始した。アウトドアや屋外イベント、災害時の緊急電源としても活用が期待される注目アイテムの詳細についてお届けする。
発電した電気を蓄電!昼夜を問わず充電可能に
シャープが開発した「LN-CB1AA」は、本体前面に最大出力150Wを誇る同社の太陽光パネル“BLACKSOLAR”(ブラックソーラー)1枚を搭載し、本体内に12V-38Ahの蓄電池3つを内蔵する移動可能型ソーラー充電スタンドだ。
-
販売が開始された「LN-CB1AA」。写真上が太陽光パネルを配した前面部、写真下が掲示板として使用できる背面部
太陽光パネルと蓄電池の両方を兼ね備えたことにより、発電した電気の蓄電を可能にし、日照時間の少ない日や夜間であっても充電できる優れもの。充電口は4口設置。同時に4台のスマホを充電することもでき、蓄電池が満充電状態であれば120台分の充電が可能だという。※1台5分とした同社試算による
同社では2016年8月から設置型のソーラー充電スタンドを自治体などに向けて発売しているものの、設置するのに工事が必要だった。しかしながら、このソーラー充電スタンドは設置工事や商用電源への接続が不要。加えて、キャスター付きのため、押せば移動できる。季節や時間帯に応じて日の当たる場所に移動すれば、その性能を遺憾なく発揮するはずだ。
本体背面には最大A1サイズ(最大でタテ594×ヨコ841mm)のポスターを掲載可能で、日没後はLED照明が自動で点灯し、掲示板を照らしてくれる。
-
「LN-CB1AA」の活用イメージ
-
災害などの緊急時以外にも用途はさまざま
同社では、テラス席や屋内イベントでの活用のほか、地域の避難場所に設置することで万一の災害発生時の非常用電源として充電ニーズに応えることができるとしている。
なお、同製品の重量は約150kg。受注生産で、希望小売価格は98万円(税別)となっている。
高効率化技術の詰まった発電力の高さがウリ
「LN-CB1AA」の発電の仕組みはいたってシンプル。昼間や晴天時に太陽光で発電して蓄電池に充電。USB充電部に給電するというもの。
ポイントは、日没後や曇天時であっても蓄電池に蓄電された電気によって給電が可能になることだ。
-
「LN-CB1AA」の動作イメージ
シャープの太陽電池開発の歴史は古く、同社製品は宇宙や砂漠など過酷な環境下でも稼働しており、国内では唯一、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が認定する太陽電池メーカーでもある。
「LN-CB1AA」に搭載される“BLACKSOLAR”は、従来の結晶モジュールと比べて、表面の電極をなくしたことで太陽光の受光をアップ。
さらに配線シート方式を採用し、銅配線はプラスとマイナスを合わせて200本以上を使用。裏側の銀電極と銅配線が直接つながり、かつ線幅も太いため送電ロスを抑制している。
また、電子(-)と正孔(+)が再結合して電気が消失することを防ぐため、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託業務の成果を一部に活用した再結合防止膜形成技術を採用。セル表面にとどまる電子と正孔を押し返すことで再結合を防ぎ、発電ロスを低減させている。
これら同社がこれまでに培ってきた高効率化技術を結集させることで、“BLACKSOLAR”は発電力を高めているのだ。
今後、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーを用いた製品が登場してくることは想像に難くない。環境問題解決の一翼が期待される再生可能エネルギーだが、もっと身近な場面で私たちの暮らしを便利にしてくれるものなのかもしれない。
-
この記事が気に入ったら
いいね!しよう -
Twitterでフォローしよう
Follow @emira_edit
text:安藤康之