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まるで“電気毛布”!冬季大会で米国代表が着用する「発熱するジャケット」とは?

テクノロジー×ファッションを融合させた革新的アイテム

現在開催中の韓国・平昌(ピョンチャン)大会。競技はもちろんのことながら、閉会式(2月25日<日>)でのチームUSA(米国代表)にも注目してほしい。同チームは2月9日に行われた開会式同様、自国のファッションブランド・ラルフローレンが開発したテクノロジー“自ら発熱する”ジャケットを着用する予定となっている。大会が盛り上がりを見せる中、EMIRA視点での注目ポイントをご紹介する。

最新テクノロジーが代表選手をサポート

2008年の北京大会以来、6度目のチームUSAへのユニフォーム提供となるラルフローレン。当たり前のことだが、冬に開催される大会などでは“いかにアスリートの体を温かく保つか”が重要になってくる。

そこで今回、同社から発表された開・閉会式用ジャケット(以下、発熱ジャケット)は、その高いファッション性と共に、極寒となる韓国・平昌の屋外でも選手たちの体を温かく保つことを最優先にデザイン・開発がなされたという。開発にあたって行われた発熱ジャケットのストレステストでは、最大の設定でマイナス20度の環境下にも耐えうることが確認されている。

開会式でチームUSAが着用した開会式用限定ジャケット

閉会式で着用予定のジャケット

そこで鍵となってくるのが革新的なヒートテクノロジーだ。

驚くことにこの発熱ジャケットは、電気毛布と同じ原理を用いることで“自ら発熱する”ことが可能になっているという。電気毛布は、ポリエステルやアクリル繊維の毛布生地の間に、ビニールで覆われた柔軟性のあるひも状のチュービングヒーター(電熱線)が埋め込まれている。この発熱体に電気を通すことによって発生する電熱を利用して毛布を温かく保つわけだが、このジャケットにも同様の原理が働いている。

電気毛布と大きく異なる点が、電熱線やコイルの代わりにカーボンと銀を含む熱伝導インクを用いて発熱させる加熱システムの採用だ。熱伝導インクはジャケット裏側に米国国旗形に電子印刷されるなど、愛国心やファッション性へのこだわりも感じさせるが、高い柔軟性と伸縮性を備えているので、体の動きを邪魔することがないのも大きなポイントだろう。

チームUSAが着用を予定している発熱ジャケットの概要

電気毛布のように家庭用コンセントを電源とするわけにはいかないため、ジャケット内には電源となる3つの小型バッテリーを縫い付け、熱伝導インクとつなげている。この小型バッテリーはフル充電の状態で最大約11時間の加熱を可能にする蓄電量になるという。

また、手袋を着けたままでも簡単に操作できるように大きめに設定されたボタンは電子装置で取り付けられており、そのボタンを押すことですぐに暖かさが感じられる即暖性を有している。温度は、ハイ、ロー、オフの3段階設定。この温度設定は、スマートフォンのアプリを通して調整できるなど、まさにアスリートのための機能性に秀でたアイテムに仕上がっているのだ。

USOC(米国オリンピック委員会)でチームマーケティングオフィサーを務めるリサ・バード氏は、今回のユニフォームについて「革命的なデザインのユニフォームは平昌のスタジアムを誇らしげに歩くアメリカ人選手たちを温かく保つだろう」とコメントしている。

ここまでの話では、「世界大会に出場するような特別な選手のために開発されたアイテムだろう」と思うかもしれない。確かに今回のアイテムはチームUSAのためにデザインされた特別仕様だ。しかし、ラルフローレンでは、限定ジャケットからデータを収集し、熱伝導インクを採用したジャケットをこの秋にも米国で一般販売する計画だという。

日本でも北の方などの寒冷地はもちろん、全国各地で大寒波襲来のニュースが飛び交っている昨今。国内導入は未定だが、冬の寒い日に外出するエネルギーを私たちに与えてくれるこのアイテムが待ち遠しい。

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