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球界初! CO2フリー発電システムが楽天イーグルス本拠地の宮城で運用開始

非常時にはためた水素で発電し、地域のライフラインを担う

3月末に開幕したプロ野球のペナントレース。ことしも熱戦が期待される中、東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地である楽天生命パーク宮城(宮城野原公園総合運動場内)では、太陽光から作るCO2フリー水素を用いた自立型水素エネルギー供給システムの運用が開始された。新たな取り組みとは一体?

再エネ由来の電力で野球を盛り上げる!

楽天生命パーク宮城に導入、稼働を開始した東芝エネルギーシステムズ株式会社の自立型水素エネルギー供給システム「H2OneTM」。

再生可能エネルギーは一般に気象条件などによる出力の変動が大きく、電力を安定的に供給できるかが課題とされている。「H2One」は再生可能エネルギー導入の課題とされる出力変動に対して、短い時間単位での出力変動(短周期変動)には蓄電池、反対に長時間単位での出力変動(長周期変動)には貯蔵した水素により安定した電力供給が可能となるCO2フリーの発電システムだ。

水素は太陽光で発電した余剰電力から水電解装置を用いて作り出し、タンクに貯蔵。純水素燃料電池を介して、必要に応じていつでも自立的に発電できる。

楽天生命パーク宮城で稼働開始した「H2One」

東日本大震災を経た2015年、宮城県では「みやぎ水素エネルギー利活用推進ビジョン」を策定。災害対応能力の強化や環境負荷の低減、また産業振興での効果が期待できる水素エネルギーの利活用推進に向けた取り組みの一つとして、県により2017年10月に楽天生命パーク宮城(当時はKoboパーク宮城)内への「H2One」設置を発注した。

選ばれた理由は、太陽光(再生可能エネルギー)由来のCO2フリー水素を活用し、災害時にライフラインが寸断された場合でも自立的に発電できる点が評価されたためだ。

楽天生命パーク宮城向け「H2One」のシステム概要図

「H2One」の仕組みは次の通り。

1.再生可能エネルギーから電気を生成
2.生成された電気は同社独自技術の水素エネルギーマネジメントシステム「H2EMSTM」によって、必要な電気はそのまま電力として使用、余剰電力は蓄電池ユニットにためられるほか、水電解水素製造ユニットによって水素を作り水素貯蔵タンクに保存される
3.水素貯蔵タンクに貯蔵された水素は燃料電池ユニットによって再度電気に変換され、電力として活用できる

ポイントは、長期保存を可能にしたこと。天候の影響を受けるなど不安定な電力供給になりやすい再生可能エネルギーを、水素として貯蔵することで非常時であっても電源を確保し、安定した電力供給が可能に。なお、楽天生命パーク宮城に設置された「H2One」の最大出力は3.5kW、1時間当たりでは1m3の水素を作り出すことができるという。

東芝エネルギーシステムズが独自開発した純水素燃料電池「H2RexTM」により水素エネルギーをいつでもどこでも電気と熱に高効率に変換できる

今回設置された「H2One」が電力供給する、球場入り口にある電光掲示板

平常時は、球場内の電光掲示板などのデジタルサイネージや地域ラジオ局「Rakuten. FM TOHOKU」に電力を供給。一方、災害時などライフラインが寸断される非常時には、水素貯蔵タンクにためられた水素で発電し、地域ラジオ局やデジタルサイネージによる災害情報の発信や避難誘導用の照明、避難者の携帯電話などの充電用電源として利用するほか、手洗い用として発電の過程で発生する温水を供給する。

また、従来品は20フィート(約6m)コンテナ3台に構成機器を格納するスタイルであったが、スペースが限られる球場ではそのままでの設置が難しかった。そこで、コンパクトに水素貯蔵ができる水素吸蔵合金タンクなどを採用し、構成機器を1台のコンテナに格納するワンコンテナモデルに改良。省スペース化を実現すると共に設置における配管工事も最小限で行うことが可能となり、エネルギー効率を突き詰めている。

コンパクト化により設置場所を選ばず、かつ緊急時にはライフラインとしても活用できる「H2One」。今回の導入は、今後の社会を見据えた試金石となることが期待される。普段、あまり意識しないところで起こる小さな変化がやがてCO2フリー水素社会をもたらすのではないだろうか。

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