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電気も水も自給自足! カプセル型エコハウスとは?

W発電でエネルギー効率を高める「エコカプセル」

風力発電に関する最新技術が集結した「WIND EXPO 2017 -第5回[国際]風力発電展-」(3月1~3日、東京ビッグサイト)にて、その“風変わりなビジュアル”で注目を浴びていたのが「エコカプセル(Ecocapsule)」。外部から電気や水の供給を受けずとも生活が可能だという自立型のエコハウスが、われわれの未来を変える?

ソーラーパネルと風車でダブル発電!

その名の通り、コロコロしたカプセルのような外観が目を引く「エコカプセル」。屋根部分のソーラーパネルで太陽光発電が可能なだけでなく、なんとプロペラによって風力発電も実現。両者を組み合わせ、エネルギー効率を最大限に高めることで、室内で使用する電力全てを賄う、“次世代スマートハウス”として注目されている。

日本が誇る国民的漫画に出てくるアイテムに似ているが、開発者はブルマでもカプセルコーポレーションでもなく、スロバキアに拠点を置くデザインスタジオ「Nice Architects(ナイス アーキテクツ)」だ。

2015年にプロトタイプが発表され、しばらくは欧米でのみプレオーダーを受け付けていた。当時の価格は7万9,900ユーロ(約1,060万円)だった。そして2016年12月、いよいよ日本での展開が決定。太陽光発電・風力発電にまつわるサービスを扱う石川県野々市市の「YBM JAPAN」がアジア総代理店になり、「WIND EXPO 2017」ではミニチュアながらエコカプセルが公開された。

YBM JAPANの出展ブース。販売店を募集した

エコカプセルの外寸は、全長4.45m×全幅2.55m×高さ2.25m。収納式の風車まで入れても全高4.5mという非常にコンパクトな家だ。

「ソーラーパネルや風車だけでなく、雨水を集めてろ過し、再利用するフィルターも装備しています。曲面を帯びた形状は、雨水を効率的に収集するためでもあるのです。つまり外部から電気や水の供給を受けなくても生活が可能な、自立型のエコハウスになっているんですよ」(YBM JAPAN広報の泉智也氏)

草原をはじめ、海や山、砂漠などシーンを選ばない

屋根にソーラーパネルが敷き詰められており、出力は600W。これにより、室内で使用する電力を供給する。しかしソーラーパネルは、天候が優れないときや夜間は発電不能となる。

そこで750Wの電力が得られる風力タービンを設け、10kwのバッテリーも備えることで悪天候にも対応できる仕様になっている。

「設置場所は使用状況にもよりますが、概ね3~4日ほど連続で雨が降っても問題なく生活できるほどの電力を蓄電可能です。寒冷地においても、冬期の一部の期間を除いたほとんどの期間で必要な電力を賄えるようになっています」(同氏)

エコカプセルの発電の仕組み

ホテル並みの内装で快適な生活が可能

エコカプセルは生活するための基本的な設備を備えており、居住スペースの床面積は6.3平方メートル。これは、約3.5畳に相当する広さだ。

決して広いとは言えないが、大人2人が短期間過ごすことは十分に可能だとか。例えばベッドは拡張可能で、引き出すと2名が就寝できる。また、仕事や食事をするためのテーブルも、大人2名仕様になっている。

エコカプセルの内装。左奥に見えるのがキッチン、右手がベッド

フィルターでろ過された雨水は、室内の2つのタンクにためられ、キッチンやシャワーで使用される。トイレには、水を使わないバイオタイプが採用された。

その他、オプションで冷蔵庫などの家電を取り付けることも可能だ。

「砂漠や荒野といった人の生活が困難な場所でも、ホテルのような快適さで長期滞在を可能にすることが設計のコンセプトです。開発者のNice Architectsが想定している用途は、自然の中での調査や研究滞在のほか、災害時などの緊急滞在や救援など。日本でもキャンプ地への設置や旅行者向けロッジとして活用されることを期待しています」(同氏)

ちなみに重量は約1500kg。普通乗用車レベルであり、一般的なコンテナにすっぽりと収まるサイズのため、トレーラーでどんな場所にも移動することができる。空輸も可能だ。

快適な環境で夜空の星を楽しむことも可能

気になる日本での価格は未定との事だが、すでにエコ商品を展開する企業が取り扱いを検討したり、建設会社が作業員の宿泊施設として導入を検討しているという。もちろん個人での購入も可能だ。

住まいへの価値観は十人十色だが、物や情報があふれている昨今は「最小限の暮らし」を望む人も少なくない。快適かつエコな住環境を生み出し、移動も自由自在のエコカプセルは、今後“ノマドワーカー”のような生き方を望む人にとって、最良のパートナーになりそうだ。

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