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床にあるモノを認識!最新AI搭載でロボット掃除機の進化がスゴい

レーザー距離センサーとディープラーニングで床面上の物体を認識する世界初の新技術

実は意外と重労働な家事仕事。中でも掃除はやり始めるとキリがないため、できるだけ効率良く済ませたいところ。そうした背景もあり、近年ニーズが高まっているロボット掃除機に、最新AI(人工知能)を搭載した次世代のコンセプトモデルが誕生した。EMIRA2019年の最初の記事は、一段上の“賢さ”を手に入れた最新ガジェットの性能に迫る。

白物家電の高度な知能化が進んだ未来が見えてくる

普段から掃除をしてきれいな住環境を整えることは、ビジネスに対して合理的かつ効率的な考えが身に付くといわれており、「ことしこそは一年通してきれいな状態を保つ」と誓いを立てた人も少なくないはず。

しかし現実はなかなかそこまで手が回らないのが実情。実際にはお手伝いロボットの誕生を心待ちにしていたりする気持ちもあるのではないだろうか。

そんな人にとっては朗報ともいうべき、次世代ロボット掃除機のコンセプトモデルを大手電機メーカーのパナソニックと千葉工業大学 未来ロボット技術研究センター(fuRo・フューロ)が共同開発し、昨年11月に公開した。

パナソニックとfuRoが培ったノウハウを基に、短期間で試作と改善を繰り返すアジャイル開発によってわずか3カ月という異例の速さで完成したコンセプトモデル

今回発表されたコンセプトモデルは、2017年10月に発売済みの「RULO MC-RS800」をベースに開発。

「RULO MC-RS800」は3種類のセンサーを組み合わせた障害物検知センサーにより、約2cm幅の障害物まで検知が可能。ギリギリまで接近して際まで掃除するほか、大型の車輪構造を採用したことで高さ2cmまでの段差も乗り越えることができる。

ロボット掃除機の初登場時を考えれば、かなりの進化を感じさせる高性能モデルといえるが、共同研究開発チームはここからさらにもう一段上の環境認識能力を目指したという。

その中でキーとなるのが、ロボット掃除機や自動運転で必須のSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術。これはセンサー情報を基に自己位置推定と環境地図作成を行う技術の総称で、人間でいうところの目の役割を担うものだ。

コンセプトモデルには、fuRoが省メモリ化などにより小型CPUでの動作を実現した「ScanSLAM」と360度レーザーセンサーシステムを初採用。

全周囲をカバーできるセンサーシステムとセンサー情報から高速で空間を認識する「ScanSLAM」が、部屋の形状のほか室内の人の動きも検知。ロボットの全周囲にある動・静物体を認識するとともに相手との位置関係を即座に把握し、リアルタイムで地図を作成することができる。これを基に正確な走行ルートを選定できるので、より隅々までエネルギーロスを防ぎながら効率良く掃除できるようになっている。

加えて、人間の脳神経回路を模した多層のニューラルネットワークを利用したAI技術・ディープラーニングによって、床面上の物体を認識する世界初の「AI床センサ」も開発。

これは、複数のレーザー距離センサーの信号から床面上の物体を認識し、自身の置かれた状況をロボット掃除機が自ら把握・判断するというもの。これにより、従来は段差を検知して乗り上げなかったり転落を防止するだけにとどまっていたが、検出した段差の高さに応じて内部に2つ搭載したローラーで本体を持ち上げ、厚めのラグやマットなども簡単に乗り越えて持続的に走行を続けられるようになった。

掃除終了後は、本体と充電台の通信機能によって充電台にドッキング。ロボット技術によって自動的に本体をつり上げる縦置き充電を実現したことで、従来の横置きタイプよりも省スペース化に成功

さらに「ScanSLAM」とその他の機能と組み合わせることで、意のままに操作することが可能に。

例えば、自動車にも使用されている最先端の自動操縦技術との組み合わせによって、外出先でもタブレット端末の操作で掃除したい場所を簡単に指定、走行させることができる。現在発売されている「RULO」でも同様の機能として「RULOナビ」があるが、さらに利便性に富んだ機能への進化が期待される。

他にも、動き予測制御技術との組み合わせによって実現した「otomo(『お供』の意)機能」では、掃除してほしいところを自分が歩くだけでロボット掃除機が追従しながら掃除をしてくれる。まるでペットのような機能を有するユニークな一面も。

このコンセプトモデルは製品化を目指して、今後、実証実験が進められる予定だ。

AIの進化によって、より便利な暮らしが実現する可能性を示した今回の共同研究。もしかすると、ことしの暮れごろには新たなロボット掃除機が大掃除をサポートしているかもしれない。

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