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省エネの管理機能!「エネルギーマネジメントシステム(EMS)」を3分解説!

エネルギー使用状況を把握して、最適なエネルギー利用を実現するための管理システム

エネルギーの注目キーワードを3分で理解!今回のテーマは「エネルギーマネジメントシステム(EMS)」。さらなる省エネルギーへの取り組みに貢献するEMSとはどのようなものか。最低限知っておきたい「エネルギーマネジメントシステム」のポイントを解説します。

エネルギー使用量の見える化と最適な制御のための管理システム

エネルギーマネジメントシステム(Energy Management System: EMS)は、エネルギーの使用状況を見える化し、機器の稼働を制御することでエネルギーの効率的な利用を行うシステムのことです。

特に最近では、需要家側のエネルギーマネジメントの関心が高まり、家庭を対象としたHEMS(Home Energy Management System)、ビルを対象としたBEMS(Building Energy Management System)、工場を対象としたFEMS(Factory Energy Management System)、さらには地域を対象としたCEMS(Community Energy Management System)といったシステムがあります。

例えばHEMSは、エアコンや給湯器、照明などを含めた家庭内のエネルギー消費量を可視化し、一括して管理・制御することで、より効果的にエネルギーを節約することができます。

2021年10月に5年ぶりに改訂された「地球温暖化対策計画」では、「住宅全体での省エネルギー・省CO2を促進するため、(中略)住宅のエネルギー管理システム(HEMS)が2030年までにほぼ普及することを目指す」という目標が明記されました。

エネルギーマネジメントシステムの活用例

現在、日本ではさまざまな企業がEMSを製品として提供し、活用が進められています。

2011年には、事業者が省エネや節電を行うのに必要な方針や目的、目標を設定し、計画を立て、手順を決めて管理する活動を体系的に実施可能な仕組みとして規定した世界標準の規格(ISO 50001)が発行されました。

ISO 50001に基づくエネルギーマネジメントの実施によって、事業者は、改善を目指すエネルギーパフォーマンス(エネルギー消費原単位、エネルギー効率、エネルギー使用量、エネルギー起源のCO2排出量など)を自ら設定して、その継続的な改善に取り組みます。

経済産業省のWebサイトには、ISO 50001の導入事例としてさまざまな業種の企業による17例が紹介されています。

例えば、空調機製造業のダイキン工業株式会社は、継続的な省エネ活動や環境影響・コスト低減に取り組むため、エネルギー削減効果を見込んでISO 50001を導入し、節電対応などの整備や省エネ診断を活用することでエネルギー削減目標を達成するに至りました。

省エネは脱炭素化にもエネルギー安定供給確保にも貢献

脱炭素化、そして危機に強いエネルギー需給体制の構築という観点からも、省エネはとても重要な柱の一つです。

前述した「地球温暖化対策計画」の中では、徹底的なエネルギー管理を実施する具体的な方策として、HEMSの他にBEMSやFEMSにも言及しました。

BEMSを2030年までに約半数の建築物に導入すること、FEMSの導入促進によって客観的なデータに基づいた省エネの取り組みを促すことが盛り込まれています。

また、2023年2月に閣議決定された「GX実現に向けた基本方針」においても、省エネ推進は今後の対応の第一に掲げられ、家庭・業務・産業・運輸の各分野における取り組みの促進が求められているところです。

エネルギーマネジメントシステム導入拡大に向けて、導入の初期費用がかかることや、見える化されたデータの分析・運用に専門知識が必要であることなどが課題として挙げられています。

エネルギーを消費する全ての部門において、さらに一歩進んだ省エネの取り組みが必要となる中、政府による補助の活用なども通じてエネルギーマネジメントシステムの一層の普及が期待されます。

参考:
・環境省「地球温暖化対策計画」(令和3年10月22日閣議決定)
https://www.env.go.jp/content/900440195.pdf
・経済産業省資源エネルギー庁「ISO 50001(エネルギーマネジメントシステム)」
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/iso50001/

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