
2026.4.28
国内初! 自動運転トラックが関東-関西約500kmの高速道路本線を完走
道路工事発生時の車線変更など新技術をT2が開発、レベル4実現へさらなる一歩
自動運転システムを開発する株式会社T2(東京都千代田区)は2026年3月、自社開発のレベル2※1自動運転トラックで、ドライバーの補助的なハンドル操作を一度も行わず、関東-関西間の高速道路本線(約500km)を自動運転で完走※2した。国内で初成功となった自動運転トラックによる本線走破の詳細を解説する。
※1…ドライバーの監視下で行われる特定条件下での高機能自動運転
※2…ドライバーの休憩に必要となるSA・PAへの進入・走行を除く
幹線道路でのレベル4自動運転、実現への課題
少子高齢化による労働人口の減少・高齢化、それらに伴う働き手不足は運送業界にドライバー不足という深刻な問題を招いている。この問題を解消する一策として期待されるのが、自動車の自動運転システムである。
T2は、2027年度にレベル4※3自動運転トラックによる幹線輸送サービスの実現を目指し、2025年6月、レベル2自動運転トラックで国内最長距離となる、神奈川県綾瀬市から兵庫県神戸市までの約500kmの走破に成功した。
※3…特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態
自動運転に関する記事:レベル4解禁で車や移動サービスはどう変わる? 自動運転技術の進化を追う

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T2が自社開発したレベル2自動運転トラック
画像提供:株式会社T2
一方、走行中に道路工事の発生、前方への車両の合流(被合流)など不測かつ急な事態に直面した際、安全確保のため一時的に自動運転をやめ、ドライバーによるハンドル操作に切り替えざるを得ない状況があり、レベル4での運用実現には大きな課題となっている。
同社ではこうした場面でも自動運転走行を可能にする新たな技術を開発。レベル2自動運転トラックに実装し、東名高速道路・綾瀬スマートIC-山陽自動車道・神戸西IC間の本線を走行する実証を行った。
本線上のイレギュラーな事態への対応を可能に
今回の実証車両に実装された新しい技術は、まず「道路工事発生時の車線変更、加減速する機能」。道路工事で一部車線が急遽(きゅうきょ)閉鎖された場合、路上に設置された工事を示す標識やパイロンを車載センサーで素早く認識、閉鎖車線を推定し前もって適切なタイミングでの車線変更を可能にした。

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道路工事により車線が閉鎖された際に車線変更する様子(自動運転トラック車内より撮影)
画像提供:株式会社T2
次に、「合流車両に先を譲る機能」。ICやJCTで急に合流してくる被合流車両をセンサーで認識、同車両に対し自動で減速して先を譲る。この他、傾斜のある路面でも車線に追従して走行する性能を強化している。

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被合流車両に対し減速して先を譲る様子(自動運転トラック車内より撮影)
画像提供:株式会社T2
以上の技術を搭載したレベル2自動運転トラックは、ドライバーが補助的にハンドル操作を一度も行うことなく、およそ500kmの高速道路本線を自動運転で完走した。

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補助的にハンドル操作を行うことなく高速道路本線を自動運転で走行(自動運転トラック車内より撮影)
画像提供:株式会社T2
今回の本線完走は、高速道路で日常的に起こり得る事態でも自動運転を継続できたことで、同社のレベル4実現に向けた技術開発の進捗を明確に示した。
なお、同社は今回のルートである綾瀬スマートICと神戸西IC近辺に、レベル4実用化を見据え、高速道路における自動運転と一般道における有人運転を切り替えるためにドライバーがトラックに乗降する「トランスゲート(切替拠点)」を4月に完成させた。

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今後、T2が完成させたトランスゲートのイメージ
資料提供:株式会社T2

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トランスゲート綾瀬に自動運転トラックが停車する様子。右後方はドライバーの待機所
画像提供:株式会社T2
T2は自社技術が研究開発を超え、社会実装を見据えた実用化のフェーズへ進んでいると確信。
「今後は、本線に加えて、料金所通過、切替拠点までの一般道走行を含む運行全体の自動化に向けた開発を進め、レベル4の実現に向けて取り組みを加速させる」とコメントしている。
ドライバー不足の解消、そして、より安全・安心な輸送の実現に向けて、レベル4自動運転の技術革新はさらに加速していく。

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text:サンクレイオ翼















