2017.12.12
ユーザーの位置を補足して自動追尾!“自走式”スーツケースが日本上陸
bluetoothでスマホと接続する独自開発の新システムを搭載
ユーザーの後を追うようにスーツケースが自動でついてくる。故に、旅行も出張も手ぶらでラクラク──。そんな夢のような話を実現する世界初の“完全自走式”スーツケースが完成した。重いスーツケースを運ぶ煩わしさから解放され、効率的な移動を可能にする最新アイテムをご紹介。
ロボットメーカーが英知を集結
まずはこちらの動画を見ていただきたい。
クラウドファンディングサービス「indiegogo」で76万ドル(約8600万円)を集め、その後の動向が注目されていた完全自走式スーツケース「Travelmate」(トラベルメイト)。
開発を手掛ける米国のロボットメーカーTravelmate Roboticsは12月4日に行われた記者発表の席で、日本国内向けの販売を2018年4月から開始すると発表した。国内販売については、正規輸入代理店合同会社イーコネクトが担当し、2018年2月より先行予約の受付が開始される。
Travelmateには、独自開発された「Follow Me」システムを搭載。専用スマホアプリとbluetooth接続することで、内蔵されたセンサーが接続先のスマホ位置を検知し、ユーザーの動きに合わせて最適な速度・距離感を保ち自動追尾してくれる。
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デバイスにはスマホのほかタブレットPCに対応。今後はスマートウォッチとも連携するべく開発中だ
スーツケースを立てた状態、寝かせた状態どちらでも、そして空港などの混雑する場所でも走行可能(もちろん寝かせた状態の方がより安定する)。さらに障害物がある場合は、内蔵されたカメラで察知し対象を避けて走行する。
また段差については、砂利道など多少の凹凸であれば乗り越えることもできるが、階段など大きな段差では止まってしまう。その場合は、音声でユーザーに知らせるため“振り向いたらいない!”という状況になることはない。
とはいえ、日本ならまだしも海外でスーツケースから手を放す=盗難に遭う危険性が高まる、につながりかねない。万が一、そのような事件に巻き込まれ、スーツケースの姿を見失った場合でも、付属のGPSを介してアプリでスーツケースの位置確認が可能なので心配なしだ。
その他、スーツケースに備えられた重量確認や施錠・解錠などさまざまな機能はアプリを通して操作が可能となる。
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アプリ画面のイメージ
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荷物を抱えた慌ただしい移動ともおさらばし、スタイリッシュな移動を実現
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アプリ操作イメージ
前面にあるLEDライトは、バッテリー残量やスーツケースの移動方向に応じて点滅し、ライトカラーはカスタマイズできる。最大速度は時速約9km、連続駆動時間はおよそ4時間となる。
加えて、スーツケースにはUSBポートを2口搭載。付属するリチウムイオンバッテリーは取り外すことで、スマホやPCなど非常電源としても利用可能という多機能ぶりだ。
サイズはS、M、Lの3種類が用意され、価格は税別でSサイズ(55×20×40cm)…12万6000円、Mサイズ(69×29×49cm)…14万9000円、Lサイズ(75×31×52cm)…17万6000円を予定している。
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現時点でのカラーバリエーションは全3種類。ラインアップは今後、追加されていく予定
ロボットスーツケースを目指してさらに新機能を開発中
トラベルメイトにはもう一つ、先進的な音声アシスタント=AI(人工知能)の搭載、簡単なジェスチャーや音声を認識できるという特徴がある。さらに今後は新たな機能を開発し、アップデートされる予定になっている。
現在、Travelmate Robotics社が取り組んでいるのは、完全なる音声統合だ。
これが実現した場合、例えば航空券などのチケット予約や周辺のレストラン検索など、より高度なことを行うことができるという。
語りかけるだけで、予約やリサーチをユーザーに代わって行ってくれるとはまるで高機能アシスタントのようだが、彼らが目指しているのはまさにそれ。
アップデートされた機能は新しいアプリをダウンロードすれば利用できるようになるため、開発の完成まで購入を待つ必要もない。
どうやらTravelmateは、旅行や小さな子供連れの外出、お年寄りの買い物をサポートしてくれるだけにとどまらない、無限の可能性を秘めているようだ。
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text:安藤康之