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社会を支える地球の恩恵。「一次エネルギー」を3分解説!

自然界に存在し、転換・加工されていないエネルギー

エネルギーの注目キーワードを3分で理解!今回のテーマは「一次エネルギー」。そもそも一次エネルギーとは何なのか。最低限知っておきたい「一次エネルギー」のポイントを解説します。

一次エネルギーと二次エネルギーの違い

「一次エネルギー」とは、自然界に存在し、転換・加工されていないエネルギーのことです。

一次エネルギーには、石油や天然ガス、石炭といった採掘資源や、太陽光、風力、水力などの再生可能エネルギー、原子力などが含まれます。

一方、一次エネルギーを発電や精製といった過程を経て転換・加工することで得られるエネルギーを「二次エネルギー」と言います。

二次エネルギーには、電力や熱、ガス、石油製品(ガソリン、灯油、重油など)、さらには水素なども含まれます。

二次エネルギーは、私たちが最終的に消費する形態のエネルギーです。

また、消費された二次エネルギーの総量を「最終エネルギー消費」と言いますが、一次エネルギーは最終消費者(家庭、事業所、工場、交通機関など)の元へ供給されるまでの間に、発電や精製といったエネルギーの転換や、電力など作り出した二次エネルギーの輸送によってエネルギーロスが生じます。

そのため、最終エネルギー消費量は、一次エネルギー供給量からエネルギーロスを差し引いたものとなります。

日本における一次エネルギーの構成

日本の一次エネルギー供給の推移は下図の通りです。

※(注1)「総合エネルギー統計」は、1990年度以降、数値について算出方法が変更されている。(注2) 「再生可能エネルギー等(水力除く)」とは、太陽光、風力、バイオマス、地熱等のこと(以下同様)。資料:資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」を基に作成

出典:エネルギー白書2023

日本は、1960年代までは一次エネルギーとして国産の石炭や水力を豊富に活用していました。

その後、国産石炭が価格競争力を失う中で、使い勝手がよく安価な石油が一次エネルギー供給の大部分を占めるようになります。

しかし、1970年代に2度の石油危機(オイルショック)を経験した日本は、石油依存度を低減させ、一次エネルギー供給の多様化を図るために、原子力や天然ガス、石炭などの導入を推進しました。

その後、2011年の東日本大震災を経て、原子力の停止を補う一次エネルギーとして、石炭や天然ガスの割合が増加しました。また、近年は一次エネルギーに占める再生可能エネルギーの割合が増加しつつあります。

エネルギー自給率の向上が課題

日本の一次エネルギー供給の構成を見ると、2021年度は石油が36%、石炭が25.8%、天然ガスが21.4%と化石燃料の占める割合が83.2%に上りました。

この化石燃料のほとんどを日本は輸入で賄っており、石油の9割以上を中東地域に依存しています。

一次エネルギー供給のうち、自国の生産で賄っている割合のことを「エネルギー自給率」と言います。

原子力発電所の再稼働や再生可能エネルギーの導入進展によって、日本のエネルギー自給率は13.3%(2021年度)となりましたが、依然として他のG7諸国と比較すると低い水準にあります。

日本のエネルギー政策の柱はS+3E。その一つであるエネルギーの安定供給(エネルギーセキュリティ)の確保に、エネルギー自給率の向上は大きく関係します。

日本はこれまで、エネルギーの安定供給を維持するため、エネルギー消費量の低減や国産エネルギーの利用拡大、エネルギー供給の多様化などの取り組みを行ってきました。これから脱炭素化に向けた取り組みを進める中でも、エネルギーセキュリティは重要な視点となります。

参考:
・小山堅編『エネルギー業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書』p.16-17
・経済産業省『エネルギー白書2023』
https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2023/pdf/

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