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「S+3E」を3分解説!

日本のエネルギー政策の大原則

エネルギーの注目キーワードを3分で理解! 今回のテーマは「S+3E」。日本のエネルギー基本計画の柱とされるこの言葉の意味とは。最低限知っておきたい「S+3E」のポイントを解説します。

安全性、安定供給、経済性、環境への適合

S+3Eとは、「Safety(安全性)」「Energy Security(エネルギーの安定供給)」「Economic Efficiency(経済性)」「Environment(環境への適合)」の頭文字を取ったものです。

日本のエネルギー政策の方針である「エネルギー基本計画」では、2003年の策定当初から「3E」が柱として掲げられてきました。

その後、2011年の東日本大震災以降初めての改定となった第4次エネルギー基本計画(2014年)では、安全性がエネルギー政策を進める上での前提と位置付けられ、「3E」に「S」が加えられました。

現行の第6次エネルギー基本計画(2021年)においても、S+3Eがエネルギー政策の基本的視点とされています。

大前提となる安全性と長年の課題である安定供給の確保

「Safety(安全性)」とは、全てのエネルギー関連設備の安全性を指し、福島第一原子力発電所の事故を踏まえて、特に原子力発電の安全性確保に大きな重点が置かれています。

ただし、自然災害の激甚化やサイバー攻撃の複雑化などを背景に、原子力発電だけでなく、他のエネルギー関連設備においても安全性を確保することの重要性が高まっています。

「Energy Security(エネルギーの安定供給)」は、経済活動や市民生活を営む上で、必要十分なエネルギーを、安定的かつ最適に確保することと定義されます。

日本は化石燃料を中心に海外からの輸入に大きく依存しているため、再生可能エネルギーや原子力発電などの海外影響を受けにくいエネルギーの利用拡大、エネルギー調達先の多様化、省エネルギーの推進といった対策を通じて、情勢不安など海外からのエネルギー供給に支障が発生した場合に備えてきました。

近年は、電力システムの安定性や国内エネルギー供給インフラの災害対応なども安定供給の観点で重要となっています。

産業や生活に影響を与える経済性、脱炭素化に向けて取り組むべき環境への適合

エネルギーは産業活動や国民生活に不可欠であるため、「Economic Efficiency(経済性)」の影響も無視できません。

例えば、企業が事業拠点の維持や新たな投資を検討する際、エネルギー供給のコストは重要な考慮事項の一つです。

また、最近は電気代やガス代が大きく値上がりし、家計にも影響を及ぼしています。このため、経済性を踏まえたエネルギー供給が重要なのです。

そして、脱炭素化を目指す動きが世界的に加速する中で、「Environment(環境への適合)」も大きな注目を浴びています。

日本の温室効果ガス(GHG)排出量の約85%はエネルギー起源のCO2です。

そのためエネルギー分野での排出量削減に向けて、電力の脱炭素化や需要側の電化、輸送用・産業用燃料の脱炭素化といったさまざまな取り組みが進められています。

環境の観点からはCO2やGHGに関心が集まりがちですが、同時に、環境への負荷をできる限り減らす循環型社会を目指すことも重要です。

参考:
・経済産業省『エネルギー基本計画』(2021年10月22日)
https://www.enecho.meti.go.jp/category/others/basic_plan/pdf/20211022_01.pdf

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