
2026.6.25
「省エネ法改正」を3分解説!
時代とともに変化し、エネルギー使用の合理化を促進
エネルギーの注目キーワードを3分で理解!今回のテーマは「省エネ法改正」。制定以来、エネルギーの効率的な使用を目指して改正が続けられてきた省エネ法。2023年4月施行、2026年4月施行の改正法では何が変わったのか。最低限知っておきたい「省エネ法改正」のポイントを解説します。
石油危機を契機とする省エネ法
「省エネ法」は第1次・第2次石油危機を契機として1979年に制定されました。エネルギーを効率的に利用していくことを目的として、制定以来、改正を繰り返しながらその規制範囲を拡大してきました。
工場や事業場、輸送事業者・荷主に対しては、省エネへの取り組みの目安となる判断基準を示すとともに、一定規模以上の事業者(エネルギー使用量 原油換算1500kL/年以上)に対してはエネルギー使用状況などの報告義務があり、取り組みが不十分な場合には指導や助言が行われます。
また、機械や器具などを製造・輸入する事業者には製品のエネルギー消費効率の目標を設定して達成を求め(トップランナー制度)、家電の小売事業者やエネルギー小売事業者には消費者への情報提供の努力を求めています。
一定規模以上の事業者は、毎年7月までに「中長期計画書」と「定期報告書」を提出することが義務付けられています。「中長期計画書」ではエネルギーの使用の合理化に関する計画や非化石エネルギーへの転換に関する目標・計画を、「定期報告書」では毎年度のエネルギー使用量やエネルギー効率などを報告します。
屋根設置太陽光発電設備の設置余地の報告を義務化
2023年4月施行の改正省エネ法では、正式名称が「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」へ改められました。
制定当時、省エネ法では燃料(化石エネルギー)の合理的な使用を念頭に置いていましたが、脱炭素化に向けた取り組みを背景として、同法での「エネルギー」の定義が見直され、非化石エネルギーを含む全てのエネルギーの利用の合理化を求めるようになりました。
しかし、省エネ法の目的に「非化石エネルギーへの転換」が加えられたものの、事業者が非化石エネルギーへの転換を進める上で屋根設置太陽光発電の導入余地が十分に把握されておらず、導入ポテンシャルが見えにくいという課題がありました。こうした状況を踏まえ、2026年4月施行の改正省エネ法では、屋根設置太陽光発電の導入ポテンシャルを把握するとともに設置検討を促進するため、新たな仕組みが導入されました。2026年度から「中長期計画書」に屋根設置太陽光発電設備の設置に関する定性的な目標を記載し、2027年度から「定期報告書」に屋根設置太陽光発電設備を設置できる屋根の面積や設置済みの面積・出力などを記載することが新たに義務化されています。
DRも省エネ法の対象
第7次エネルギー基本計画では、再生可能エネルギーの最大限の導入を目指しています。太陽光発電の中でも、比較的地域との共生がしやすく、自家消費として導入されることで系統負荷が低い屋根設置太陽光発電設備は、そのポテンシャルの活用が期待されるところです。
太陽光発電をはじめとする変動性再生可能エネルギーの導入拡大が進む中で、日本では全国的に出力制御(発電電力量を抑える)が増加傾向にあります。電力の品質を維持するための電力需給調整方法の一つしてデマンドレスポンス(DR)がますます注目されています。 2023年4月施行の省エネ法改正では改正の柱の一つとして、電力需要の最適化のため、月別または時間帯別の電気使用量に加え、DR(上げ・下げ)の実績報告が求められるようになりました。
時代の変化とともに改正を重ねてきた省エネ法。今後は電力需要の拡大も見込まれる中で、事業者による非化石エネルギーへの転換やDRの取り組みが一層重要になっています。
参考:
・資源エネルギー庁「省エネ・非化石転換法の手引き 工場・事業場編―令和8年度改訂版―」
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/media/data/shoene_tebiki_01.pdf?update=260610
・資源エネルギー庁「省エネ・非化石転換法に基づく屋根設置太陽光発電設備の設置余地の報告について」(2026年3月10日)
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/enterprise/factory/support-tools/data/yochi_yane.pdf?update=260311
・資源エネルギー庁「省エネ法が変わります」(2023年4月1日施行)
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/media/data/kaisei_shoene_pamph.pdf

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