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地球の謎に迫る研究現場の最前線を体感!お台場・日本科学未来館でJAMSTECの無料特別展開催中

普段目にすることのない海底で活躍するロボットの実機や実寸大の大型模型が登場

日本科学未来館(東京・お台場)で本物の重機も多数集結し、開催されている企画展「『工事中!』~立ち入り禁止!?重機の現場~」(5月19日<日>まで)。そのスピンオフ展示としてJAMSTEC(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)が、4月17日から「『海洋探査中!』~立ち入り困難!?JAMSTECの現場~」(5月27日<月>まで)を同施設1階でスタートさせた。海洋研究で世界の最前線をいくJAMSTECの裏側をのぞくことができる貴重な特別展の見どころをご紹介する。

人類にとって宇宙よりも“遠い”深海

地球表面の約7割を占める海洋──。

近年研究が進むメタンハイドレートをはじめ、深海底には豊富な資源が眠っている可能性が示される半面、いまだに解明されていない部分を多く残す未知の領域でもある。
※メタンハイドレートの実用化に向けた研究を行う明治大学 研究・知財戦略機構ガスハイドレート研究所代表・松本 良特任教授の記事はこちら

その理由こそ、水深200mを超える深海の存在だ。

これまでに宇宙に到達した宇宙飛行士は世界中で562人(宇宙=高度100kmを超えたことを意味し、弾道飛行を含む)を数えるが、水深1万m(10km)を超える深海底への到達者は世界でたったの3人。このことからも深海が人類にとっていかに遠い場所かが分かるだろう。

例えば、水圧だ。通常は水中へ10m潜るごとに約1気圧上昇する。しかし、塩分などが含まれる海水の場合はより水圧の変化が厳しくなる。

JAMSTECが所有する世界有数の有人潜水調査船「しんかい6500」が最大深度6500mに到達した場合、機体にかかる圧力は約680気圧(1cm2あたり約680kg。指先に軽自動車を乗せるような圧力値)。当然、こうした状況下での調査は困難を極めるため、最新テクノロジーを搭載したロボットや船舶は不可欠といえる。

今回の「『海洋探査中!』~立ち入り困難!?JAMSTECの現場~」では、その「深海」に加え、「北極域」と「地球深部」の3テーマに区分。それぞれのカテゴリーで地球の謎を解明すべく活躍するロボットたちが集結している。

お台場・日本科学未来館の1階コミュニケーションロビーで5月27日(月)まで開催中の「『海洋探査中!』~立ち入り困難!?JAMSTECの現場~」

画像提供:(C)JAMSTEC

まず「深海」エリアでは、海中を自律浮遊して海洋変動の観測を行う機器「アルゴフロート」の実機をはじめ、全長5.6mの海中ロボット「AUV-NEXT」の実物大模型などが登場。

全世界の海洋に約3500個が漂流し、海洋の表層と水深2000mまでの水温・塩分などを10日ごとに測定する観測機器「アルゴフロート」は、世界気象機関(WMO)やユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)などの国際機関が進める国際観測計画(アルゴ計画)において中心的な役割を担っている。

そして「AUV-NEXT」は、無人探査ロボットを使って海底調査を行う国際コンペティション「シェル・オーシャン・ディスカバリー・Xプライズ」でも使用された自律型海中ロボット。リチウムイオン電池を動力エネルギーとして自動運転で深海底近くを航行し、ソナー(音波探知機)で地形データを取得するなど深海底の“可視化”に貢献している。

「深海」エリア

画像提供:(C)JAMSTEC

「シェル・オーシャン・ディスカバリー・Xプライズ」では海中を4.5ノット(時速約8km)で移動し、水深4000mの海底マッピングに挑んだ「AUV-NEXT」。下画像は会場に展示される実物大模型

画像提供:(C)JAMSTEC

画像提供:(C)JAMSTEC

2つ目のエリアが、地球温暖化の影響が顕著に表れる地域の一つといわれる「北極域」。現在進行形で減少を続ける北極海の海氷は、地球環境に大きな影響を及ぼすと考えられており、北極域の環境変動を把握することは、将来を予測する上で最重要とされている。

ここでは、現地で活躍する世界最大級の海洋観測船である、海洋地球研究船「みらい」と、海氷の下を自律航走するロボット「RAIV(ライブ)」の秘密に模型や実機を観察しながら迫ることができる。

その「RAIV」は全長約1.9m、外径約16cm、重量約27kgとコンパクトな形状で、わずか2人で海への投入と揚収ができるのが大きな特徴の小型の自律型無人潜水機。2016年8~10月に、北極海における海氷下の自律航走に日本で初めて成功し、塩分や水温などの観測データを取得、海氷下の映像撮影も果たしている。

「北極域」エリア

画像提供:(C)JAMSTEC

日本初の原子力船「むつ」を前身とする「みらい」。優れた耐氷性、航行性を有し、広域かつ長期にわたる観測研究が可能

画像提供:(C)JAMSTEC

最後の「地球深部」エリアでは、地球内部の解明を目指す取り組みや研究成果を模型とパネルで紹介。

いまだかつて足を踏み入れた者がいない人類未踏の世界・地球内部。そうした中、海底下の掘削による地質調査で地球の歴史、巨大地震や生命誕生の謎に迫ろうとしているのが地球深部探査船「ちきゅう」だ。

地球内部のエネルギーに支えられた地下生命圏、さらには新しい海底資源の解明など、人類の未来を切り開くさまざまな成果を次々に上げる「ちきゅう」の取り組みは本展示の中でも要注目コーナーといえる。

「地球深部」エリア

画像提供:(C)JAMSTEC

人類史上初めてマントルや巨大地震発生域への大深度掘削を可能にする、世界初のライザー式掘削(船上と海底の孔口装置をライザーパイプでつなぎ、その中にドリルパイプを降ろして船上から特殊な泥水を流して掘進していく技術)船「ちきゅう」

画像提供:(C)JAMSTEC

最先端の海洋探査に挑む巨大船舶や探査機、ロボットを通じて、地球の謎に挑戦する研究者たちの熱い想いが感じられる今回の特別展。

入場料はなんと無料!ゴールデンウイークは海洋調査の最前線に触れ、地球のエネルギーを体感してみてはいかがだろうか。

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