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“歩かない旅行”が可能に? 持ち運べる全自動折り畳み電動カートが登場

イタリア発のおしゃれなモビリティが、ユニバーサルツーリズム普及のきっかけに

電気自動車やバイク、電動自転車など、リチウムイオン電池をエネルギー源にして走るモビリティが身近になった昨今。高齢者や障がい者向けには電動車いすもあるが、介護や福祉の現場以外での導入事例はまだ少ない。そうした中、ボタン一つで折り畳むことができ、持ち運びも簡単な電動カート「R30」が普及の兆しを見せ始めているという。足腰の弱った高齢者のちょい乗り需要から旅行への持ち出しまで、幅広く対応する期待の一台を紹介する。

電動カートで気軽に旅する時代へ

ことしはいよいよ五輪・パラ五輪 東京大会の開催年ということもあり、活況が予想される旅行業界。

これまで以上に耳にする機会が増えそうな「ユニバーサルツーリズム」という言葉をご存じだろうか?

観光庁によると、その定義は「高齢や障がい等の有無にかかわらず、誰もが気兼ねなく参加できる旅行」のこと。

2016年4月に障害者差別解消法、2018年11月に改正バリアフリー法が施行されたことで、ユニバーサルツーリズムへの関心が向上。ことしの五輪・パラ五輪開催に向け、国民全体での理解・協力に期待がかかっている。

そうした中、障がい者から足腰に不安のある高齢者まで、旅行時にぴったりの移動ツールが注目を浴びている。

イタリアで折り畳み式のオートバイや自転車を手掛ける老舗メーカー・Di Blasi社製の電動カート「R30」だ。

R30の紹介動画。日常シーンに加え、旅行時にも使いやすいことがよく分かる

日本で高齢者用の電動カートといえば、国内シェア5割を誇るスズキ社製のセニアカーが有名。昨年は高齢者の自動車事故が相次いだこともあり、取扱店への問い合わせが増えているという。

リチウムイオンバッテリーをエネルギーに走行する電動カートは、特別な免許がなくても運転できるのが特徴だ。時速1~6kmという歩行者並みの速度に制限されていることもあり、法律上では歩行者扱いとなっている。

しかし、日常の買い物や病院通いに適している各社の電動カートも、ユニバーサルツーリズムに対応するのは難しい。なぜなら、携帯性に乏しい約100kgという重さがネックになるからだ。

一方、R30の総重量は約26kg。キャスターもついているため、男性なら1人で、女性でも2人で簡単に持ち運ぶことが可能。しかも、ボタン一つで折り畳めるという世界で唯一の機能で折り畳めばスーツケースほどのコンパクトさ、車や電車への積み込みも容易なことから、旅行にとても適していると言える。

省スペースで持ち運びが可能。車のトランクに入るサイズだ

ボタンを押すだけであっという間に変形するユニバーサルデザイン

気になるのはバッテリー性能だが、約2~5時間でフル充電ができ、最長約24kmの走行が可能。バッテリー部分のみ取り外すこともでき、家庭用のコンセントから充電ができるという。

また、最大傾斜6度まで上れるパワフルさに加え、スロットルを緩めればブレーキがかかる自動ブレーキ仕様で安全性への配慮も高められている。

昨年5─6月には長崎県のハウステンボスでR30の実証実験が行われ、そのスタイリッシュな見た目も話題に。8割を超える人が介護機器ではなくレジャー機器に見えると回答し、電動カートの利用に対してポジティブな意見が集まった。

実証実験の様子。凸凹のある石畳の道でもスイスイ走る

福岡市が主催する「ユニバーサル都市・福岡賞2019」でも、R30のモニター提供事業が優秀賞を獲得。前述の実証実験に加えて、旅行ツアーにも用いられたことが評価されたもので、今後もますますユニバーサルツーリズムへ組み込まれることが期待されている。

1月30日(木)まで、クラウドファンディングサイトのCAMPFIREで、先着順による限定価格(32万8000円)で販売されているR30。まずは試してみたいという人向けに、1週間のレンタルクーポンの購入も可能だ。
※公式サイトはこちら
※商品取扱いサイトはこちら

国土交通省の調査によると、70歳以上の約3割が「健康上の理由」で旅行を諦めた経験があると回答しており、特に歩くことに対しての不安を訴えるケースが多いのだという。

高齢化社会が進む日本にとって、誰もが楽しく旅行へ出かけられる機会をつくるのは喫緊の課題。

ユニバーサルツーリズム普及に向けて、折り畳み式の電動カートが大きなヒントになるのかもしれない。

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