2020.2.26
働く男の最強ギア!? キャタピラー社のタフネススマホが日本初上陸
熱源探知やレーザー支援型距離測定などの機能が充実! 貫く独自路線で販路拡大へ
ワンセグやおサイフケータイなど、日本独自の機能とともに進化を遂げた携帯電話。しかし、時代はスマートフォンへと移り変わり、画一的でシンプルなものが好まれるようになった。そうした中、他とは一線を画す独自路線のスマホが注目を集めている。黄色いカラーに「CAT」のロゴで知られるアメリカの建設機械メーカー・キャタピラー社(以下、CAT社)ブランドのスマホ「CAT S61」だ。同社を象徴するような堅牢性を持ち、日常や職場で使える機能を搭載した1台を紹介する。
アメリカ国防総省の調達基準に準拠したアイテム
油圧ショベルやブルドーザーといった大型機器のほか、ディーゼルエンジンなども手掛ける建設機械メーカー・CAT社。1925年に米国カリフォルニア州で創業した老舗企業で、圧倒的な世界シェアを誇ることから「建設機械業界の巨人」とも称されている。
建設業界で働く人にとっては知られた存在の同社だが、われわれの普段の生活に近いシーンでも関わりがあることをご存じだろうか?
たとえば、JR九州がCAT社のラッピング新幹線をことし2月から運行していること。
これは、自然災害からの復興作業はもちろん、さまざまな現場で活躍する“HERO”を応援したいCAT社の思いと、九州を元気にしたいJR九州グループの思いをラッピングで表したもの。
CAT社の建設機械や現場のHEROが九州各地で活躍する躍動感と、コーポレートカラー「CATイエロー」が九州新幹線800系にあしらわれている。
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博多~熊本~鹿児島中央間の「つばめ」「さくら(一部)」として4月末まで運行予定
また、時を同じくして販売がスタートし、早くも話題になっているものがある。
CAT社の名前を冠したスマートフォン「CAT S61」だ。
同社の建設機械を象徴するようなタフネスさが特徴の一つで、アメリカ国防総省の調達基準「MIL-STD-810G」に準拠。高さ1.8mからの落下試験をクリアしているほか、業界最高水準の防水・防塵規格IP68にも対応している。
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サイズは77.6×155.3×12.8(各mm)。水深3mで60分間の使用ができ、水中での写真・ビデオ撮影も可能
また、-25~+55℃の環境下での動作が確認されており、手袋を着けた状態やぬれた指でも作業できるのが特徴だ。
ほかに類を見ない珍しい機能を搭載
堅牢性に優れたスマートフォンはほかにもあるが、CAT S61にはさまざまな場面に適した特筆すべき3つの機能が備えられている。
1つ目は、サーマルイメージングカメラ。
これは、暗闇の中でも-20~400℃の熱源を探知し、熱を可視化する技術だ。
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写真を撮影するごとに可視光画像(上)と赤外線画像(下)が記録される
数多くのサーモグラフィカメラを手掛けるアメリカ・FLIR社の特許「MSX(R)」を搭載する本格派で、可視光画像の情報を赤外線画像に反映。スマートフォンの画面上で、簡単に熱源をチェックできる。
この仕組みを使えば、建物内を撮影するだけで空調の効き具合が一瞬で判別可能に。適正な温度管理を容易に行えるため、エネルギー効率の向上につなげることが期待できる。
また、機械設備や電気設備でまれに発生する異常発熱やラジエーターの詰まりを点検する際にも重宝すること間違いなしだ。
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養豚場内を撮影した様子(一例)。豚の体温や豚舎の温度が画面上に表示されている。動物や家畜など、命を預かる現場でも活躍する
2つ目に、室内空気質モニター。
これは、揮発性有機化合物(VOC)を検出する機能だ。VOCとは、一般的に溶媒や接着剤、塗料、洗浄剤などに含まれ、常温常圧で容易に揮発する化学物質のこと。
もし、VOCの数値が健康に悪影響を及ぼす可能性がある場合は、アラーム音で警告する機能も付いているため、化学薬品を扱う作業現場の空気を把握する際に活躍するはずだ。
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VOCのほか、部屋の温度や湿度も測定できる
3つ目は、レーザー支援型距離測定機能。
これは、CAT S61で撮影(8m以内)した画像から、高さ、長さ、エリアを測定できる機能だ。
これにより、煩わしいメジャーを使っての計測が不要に。壁のタイル張りや床張り、塗装作業などの見積もりを容易に作成できるほか、現場作業のスピードアップ化にも有効だ。もちろん、日常のDIY作業でも活躍が見込める。
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インテリアデザイナーや不動産業者など、日常的にモノを測る人にぴったり
スマートフォンの基本スペックとしては、OSはAndroid 9.0、プロセッサーはQualcomm SD630、メモリは4GBで、ストレージが64GB。
ディスプレイは5.2インチで、解像度はフルHDの1080×1920ピクセル。長時間の使用に耐えられるよう、バッテリー容量は4500mAhとなっている。
気になる価格は11万9800円(税別)で、現在は法人向けのみの販売。今後は、ECサイトを通じて個人でも購入できるようになる予定とのこと。
インフラを整備する建設機械のみならず、実は生活に密着した製品も開発しているCAT社。
DIYや日常の仕事などで使用できる、今後の新製品にも期待したい。
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text:佐藤和紀