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地熱発電の普及促進! NECファシリティーズが設備拡張を考慮した変電所を建設

新日本科学が自家発電設備(地熱発電)でクリーンエネルギーを創出

世界情勢の影響を受けやすいエネルギー問題の解決に当たって、今後は国産エネルギー比率を拡大していく必要があり、再生可能エネルギーのさらなる拡大が望まれている。その中で太陽光や風力と共に期待されているのが地熱だ。今回は、地熱発電の普及促進に向けて誕生した新たな特高変電所の詳細を紹介する。

発電した電力を昇圧する特高変電所

太陽光発電をはじめとする他の再生可能エネルギー発電とは違い、自然条件に左右されず安定した発電が見込める上、発電後は熱水利用などエネルギーの多段階利用が可能な「地熱発電」。

CO2排出量もほぼゼロといわれており、政府が目指す2050年のカーボンニュートラル実現に向けてさらなる拡大が期待されるクリーンエネルギーだ。

一方で、設備を造る場所の問題、建設までにかかる時間やコスト、また売電に当たって電力会社と系統連系(電力会社の送配電網に接続すること)を行う設備の構築が必要になるなど、活用機会を増やしていくために乗り越えるべき課題も残されている。

そうした中、NECファシリティーズ株式会社が設備メンテナンスの側面に配慮した系統連系用特別高圧変電所(以下、系統連系用特高変電所)の設計・施工を実施。株式会社新日本科学が地熱発電事業を展開する「メディポリス指宿(※)」(鹿児島県指宿市)内に2022年10月、竣工した。

※鹿児島県指宿市に新日本科学が所有する東京ドーム約77個分という広大な敷地において、地熱発電所の稼働における温室効果ガスの削減や、3種類のホテルと連携したメディポリス国際陽子線治療センターによる、well-Being貢献事業を行い自然との共生、持続可能な社会の実現に取り組んでいる施設

竣工した系統連系用特高変電所の引込終端接続部

なお、今回完成した系統連系用特高変電所は、新日本科学が建設した625kWの地熱発電所(温泉発電)が発電した電力の電圧を、系統連系を行う上で特高(6万6000V)に昇圧する必要があることから建設されたものだ。

将来の設備拡張やメンテナンスコストを考慮した仕様

建設された系統連系用特高変電所は今後に発電所が増設される場合を想定し、変電設備を増設する際のイニシャルコストや設置スペースの削減、停電時間の短縮による売電事業の安定継続を見越して仕様を作成。

また、海が近い環境を考慮した塩害対策や雨水侵入対策、小動物侵入防止といった施設運営の安定稼働にも配慮して設備を構築しているという。

系統連系用特高変電所のGIS(ガス絶縁開閉装置)と変圧器

設備メンテナンスにおける省力化にも注力しており、ポイントは大きく2つある。

1つは、現場でタブレットを活用しメンテナンス結果を登録・データ化できるシステムを構築していること。

これにより、メンテナンス結果を改めて手入力する必要がなくなり、大幅な点検・確認時間の効率化が図られている。

将来的には集約した能力値などのデータを分析して可視化し、最適な状態をモデル化することで、異常時の早期問題発見や故障予兆に生かせる上、修繕計画立案の効率化も可能になるという。

そしてもう1つは、NECファシリティーズが施設運営事業で培ってきたノウハウの活用だ。

例えば、中央監視設備では作業者に寄り添って考えた画面の視認性、作業レポート作成の簡易化を実現している。

また、グラフィックスを活用してモニター上に設備配置を分かりやすく表現することで、発停動作や警報、測定といったモニター監視を行う際の操作性向上や誤操作を減らす効果にも期待できる。

NECファシリティーズは、今後も新日本科学で検討される地熱発電所への対応を通じて、より効率的な電力設備の実現に貢献していく考えを明らかにしている。

私たちが過不足なくクリーンに電力を活用できる未来に向けて、国内展開を視野に入れた実りある取り組みに期待したい。

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