1. TOP
  2. エネペディア
  3. 「GX」を3分解説!
エネペディア

「GX」を3分解説!

クリーンエネルギー中心へと産業・社会構造を転換する

エネルギーの注目キーワードを3分で理解! 第30回のテーマは「GX(グリーントランスフォーメーション)」。経済社会システムをどのように変革するのか。最低限知っておきたい「GX」のポイントを解説します。

化石エネルギーから産業構造や社会構造をクリーンエネルギー中心に

日本は、2030年度に向けた温室効果ガスの削減目標(2013年度比46%削減)や2050年のカーボンニュートラル社会の実現を掲げ、脱炭素に向けた取り組みを強化しています。

こうした中で、2022年6月に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」では、4つの重点投資分野が示され、そのうちの一つに「GX」および「DX(デジタルトランスフォーメーション)」への投資が掲げられました。

GXとは、グリーントランスフォーメーション(Green Transformation)のことで、これまで化石エネルギー中心だった経済・社会、産業構造をクリーンエネルギー中心へ移行し、経済社会システム全体を変革することを指します。

GXの実行に必要な施策を検討するため、2022年7月には内閣総理大臣を議長とするGX実行会議を設立。これまでに5回開催され、同年12月に開催された第5回ではGX実現に向けた基本方針案が示されました。2023年2月には、基本方針とGX推進法案が閣議決定されています。

GX実現に向けた脱炭素対応

GX実現に向けた基本方針では、脱炭素への取り組みが大きく取り上げられています。

まず、安定的で安価なエネルギーを供給することがGX推進の大前提であり、GXを推進することでその確保にもつながると指摘しています。

そこで今後の脱炭素の取り組みとしては、具体的な対応が14の項目で示されました。

1) 徹底した省エネルギーの推進、製造業の構造転換(燃料・原料転換)
2) 再生可能エネルギーの主力電源化
3) 原子力の活用
4) 水素・アンモニアの導入促進
5) カーボンニュートラル実現に向けた電力・ガス市場の整備
6) 資源確保に向けた資源外交など国の関与の強化
7) 蓄電池産業
8) 資源循環
9) 運輸部門のGX
10) 脱炭素目的のデジタル投資
11) 住宅・建築物
12) インフラ
13) カーボンリサイクル/CCS
14) 食料・農林水産業

化石エネルギーへの過度な依存からの脱却、徹底した省エネルギー、製造業の燃料転換、再生可能エネルギーや原子力などの最大限の活用などを進めるとしています。

特に原子力については、廃止を決定した原子力発電所の建て替えや運転期間の延長(一定の停止期間について追加的な延長を認める)が盛り込まれ、従来の政策から転換しました。

カーボンプライシングの積極活用

基本方針の中でもう一つ大きく取り上げられたのは、「カーボンプライシング」(炭素排出に価格を付け、市場メカニズムを用いて排出を抑制させる政策手法)の積極的な活用です。

今後10年間で150兆円を超えるGX投資が必要になるという試算が示され、その実現のために、官民協調で「成長志向型カーボンプライシング構想」の実現と実行が掲げられています。

構想では、多排出産業を中心にCO2排出枠を売買する「排出量取引制度」(2023年度から)と、炭素排出に対して一律に負担金を課する「炭素に対する賦課金」(2028年度から)の導入が具体的な制度設計としてあげられています。

排出量取引制度は、2023年度から試行され、2026年度から本格稼働、2033年度には発電部門に有償オークション(※)を段階的に導入。また、化石燃料輸入者などを対象にした炭素に対する賦課金は2028年度の導入以降、段階的に引き上げる計画です。

※排出枠の段階的な有償化を予定。排出枠の割当には、排出枠を無料で割り当てる無償割当と、入札を通じて購入する有償割当がある

カーボンプライシングによる収入は、発行が検討されている「GX経済移行債」の償還(返済)に用いられ、CO2の排出削減および産業競争力強化と経済成長に貢献する分野の研究開発や設備投資の支援としても活用されます。

詳細な制度設計は、新法の施行後2年以内に取り組む予定となっています。成長志向型カーボンプライシング 構想の早期実行に向けて、2023年度も注目が集まります。

参考:
・内閣官房、GX実行会議「GX実現に向けた基本方針(案)~今後10年を見据えたロードマップ~」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/gx_jikkou_kaigi/dai5/siryou1.pdf
・経済産業省「「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定されました」
https://www.meti.go.jp/press/2022/02/20230210002/20230210002.html

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

Twitterでフォローしよう

この記事をシェア

  • Facebook
  • Twitter
  • はてぶ!
  • LINE
  1. TOP
  2. エネペディア
  3. 「GX」を3分解説!