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「同時同量」を3分解説!

電気の使用量と発電量を常に一致させること

エネルギーの注目キーワードを3分で理解!今回のテーマは「同時同量」。電気の安定供給を維持するために行われている取り組みとは。最低限知っておきたい「同時同量」のポイントを解説します。

電力の需要と供給のバランスを保っていること

電気は大量に貯蔵することが困難であるため、電力系統では、需要(使用量)と供給(発電量)が常に同じになるように調整されています。

このように電力の需要量と供給量が絶えず完全に一致していることを「同時同量」と言い、英語では「balancing」と言います。

提供:東京電力パワーグリッド株式会社

電力需要は、季節や天候、時間帯によって時々刻々と変化しています。日本では、一年で見ると冷暖房を利用する夏と冬に需要が増加します。

周波数を一定に保つことの重要性

電気には直流と交流があり、家庭や工場で使われる電気は交流です。

交流は電圧のプラスとマイナスが波のように入れ替わっており、1秒間に繰り返される波の数を「周波数」と言います。単位はヘルツ(Hz)。東日本は50Hz、西日本は60Hzで、周波数は発電所にある発電機の回転数に比例します。

使う電気(需要)が大きくなった場合、発電機を回す力がそのままだと、回転速度が遅くなって回転数が減り、周波数が下がります。逆の場合には、回転数が増えて周波数が上がります。

そのため、常に変化する電力の需要と供給が一致しないと、周波数を一定に保つことが難しくなります。周波数が乱れると、産業用機器などの動作が不安定になって不良品が出たり、大規模な停電につながったりすることもあります。

そこで、使う電気の大きさが変わっても、同時同量によって発電機の回転数が変わらないようにし、周波数を一定に保っているのです。

同時同量を維持するための制度

電力の需要と供給のバランスを維持するため、現在日本では、「計画値同時同量制度」が実施されています。

計画値同時同量制度では、発電事業者および小売電気事業者が、前日正午までに翌日(30分を1コマとして1日48コマ)の発電販売計画と需要調達計画をそれぞれ作成し電力広域的運営推進機関に提出します。

これらの計画は、各コマの1時間前まで変更可能です。最終的に提出された計画値と実需給断面における実績との差(インバランス)を解消するため、一般送配電事業者は電源等(調整力)に指令を出して需給調整を行います。

調整力には、発電設備や電力貯蔵装置、デマンドレスポンス(DR)などがあり、一般送配電事業者が公募によって調達しています。2021年4月からは広域的な調整力の調達を行う、需給調整市場も開設されました。

同時同量を維持するためには、十分な発電設備などの確保や需要・供給予測の精度向上が重要となります。

参考:
・電気事業連合会「電気の基礎!」
https://www.fepc.or.jp/sp/pikaru/basic.html
・電力中央研究所「電気を安定して送るために」
https://criepi.denken.or.jp/koho/denki/index03.html
・東京電力パワーグリッド「需要と供給のバランスについて」
https://www.tepco.co.jp/forecast/html/ufr-j.html

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