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FCV「MIRAI」のシステムを活用! トヨタ工場内で新型燃料電池発電機の運転開始

発電した電力を工場で活用し、製造過程でのCO2排出低減を狙う

トヨタ自動車とトヨタエナジーソリューションズは、FCV(燃料電池自動車)「MIRAI」が搭載するFC(燃料電池)システムを活用した FC発電機を開発。愛知県豊田市のトヨタ本社工場敷地内において実証運転を開始した。「トヨタ環境チャレンジ2050」(2015年発表)の一つである「工場CO2ゼロチャレンジ」の実現に向けて動きだした新たな取り組みをご紹介する。

自動車で培ったノウハウを定置式FC発電機へ移植

環境問題が広く叫ばれる昨今。自動車業界においてもガソリンやディーゼルからの脱却を目指して、100年に一度の変革期ともいわれる電動化の波が押し寄せている。

トヨタが手掛ける水素を燃料とするFCV「MIRAI」もそうした時代の流れを受けて誕生した車の一つ。

2019年8月現在で水素ステーションの設置件数が全国でわずか109カ所にとどまるなど、インフラ整備の遅れが指摘される一方で、同年6月には生産累計台数が1万台の大台を突破し、少しずつシェアも伸びている。

世界初の量産燃料電池自動車として2014年12月に登場した「MIRAI」

そもそも水素は自然界に無尽蔵といえるほど豊富に存在しており、今後の社会生活を支えるクリーンエネルギーとして期待されている。

「MIRAI」を動かす仕組みは、高圧水素タンクに充填(じゅうてん)した水素と車外から取り込んだ酸素をFCスタック(発電装置)に送り込み、化学反応によって電気と水を生成。発電した電力をモーターに送電し、駆動させるというものだ。

このように、「MIRAI」には化石燃料のような枯渇の心配がない上、CO2などを一切排出しないという特徴がある。

今回、トヨタグループ内で共同開発された定置式のFC発電機は、持続可能なクリーンエネルギーを生み出す「MIRAI」のFCシステムを活用しているのがポイント。定格出力は100kWと「MIRAI」の最高出力114kWよりも低めに設定されたが、一般的に小型化すればするほどコストは大きくなるもの。

しかし、車に搭載できるほど熟成させた技術を横展開したことで、同コストであればよりコンパクト化に期待が持てる。

FC発電機のシステム構成図。FCスタック、パワーコントロールユニット(PCU)、2次電池などのシステムを各2セット使用する

実証実験では、毎日24時間連続でFC発電機を稼働させ、水素使用量当たりの発電量などのエネルギー効率や発電出力の安定性、耐久性、メンテナンス性などを検証。実証で得られたデータを基に、工場での自家発電設備としてFC発電機の導入を拡大し、製造段階で排出されるCO2を低減させたい考えだ。

また、試験工程で生じるボイルオフ(気化)水素を燃料として再利用する計画もあり、実現すればより効率的な水素活用が期待できる。

現在、世界中で研究・開発に取り組まれている水素──。

持続可能な社会の実現のためにも、さらなる技術革新に今後も期待したい。

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