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日立製作所のグループ会社がハワイで米国初の完全自動運転都市鉄道「スカイライン」運行開始

化石燃料から持続可能なエネルギーへの転換で慢性的な渋滞緩和へ

株式会社日立製作所のグループ会社である日立レール社は、ハワイ州ホノルルで米国初の完全自動運転都市鉄道システム「スカイライン」の第1期区間(約17.7km=11マイル)の完成と旅客サービスの開始を発表した。日立レール社が車両の設計・製造、鉄道システムの設計・製造を手がけた「スカイライン」は、新交通ゆりかもめと同じく自動列車運転装置(ATO/ Automatic Train Operation)による無人自動運転で運行する。従来、車で移動することが主流だったホノルルで「スカイライン」が新たな移動手段に取って代わること、市内で発生している慢性的な渋滞の緩和とCO2排出量削減が期待される。1993年以来となる、米国で運行を開始する主要な都市鉄道システムを紹介する。

完全電化で渋滞緩和とCO2排出量削減を目指して

乗客、車両、システム全体の安全を保証する最先端技術を用いて、人間の介入なしに鉄道車両を運行する「完全自動運転都市鉄道システム」は、自動運転化による省人化やホノルル市内の新たな移動手段として注目を集めている。

オアフ島の住民や観光客の足として、2023年6月30日から運行が始まった

画像提供:株式会社日立製作所

オアフ島の東西を結ぶ州間高速道路ハワイ1号線(H1号線)はカポレイからワイキキを経てカハラまで43.71kmを結んでいる。この高速道路は深刻な交通渋滞により、移動に多くの時間がかかる上に、それに伴う大量のCO2排出の問題に直面している。新しい鉄道システム「スカイライン」の開業によって、化石燃料に依存する自家用車や観光客が利用するバス、タクシーから持続可能な交通機関への移行を促し、CO2排出量の削減、島の住民や観光客のために渋滞の緩和につながることが期待される。

「スカイライン」の第1期区間はイースト・カポレイ駅からアロハ・スタジアム駅まで9つの駅を結ぶ約17.7km(11マイル)に及ぶ。全区間が完成した場合、1日の自家用車での移動が推定4万台減少するという。これは1日の高速道路8車線分の往復移動に相当する。

住民や観光客に快適な移動を提供、ハワイ経済の活性化にも期待

「スカイライン」は、全長約79m、車両は1編成当たり4両で計20編成が運行され、1編成当たりの定員は約800人。

車両間の貫通路は開放的な設計になっており、自転車やベビーカー、荷物を置くための十分なスペースも設けられている。

「スカイライン」車内の様子。乗客が記念撮影で座っている席は、非常時などに手動運転を行う場合の運転席である

画像提供:株式会社日立製作所

また、全車両で無料Wi-Fi使用可能、冷暖房完備、米国障害者法に完全に準拠し、車椅子専用のスペースも設置されている。

鉄道システムは遠隔自動制御により電力は常時安定供給され、全ての列車の移動と線路のポイントは1つの運行室から24時間年中無休でスタッフにより管理される。

今後数年間かけてさらに建設が進められ、ダニエル・K・イノウエ国際空港など、より広範な地域への延伸計画が進められる予定だ。

「スカイライン」の運行を遠隔で管理する運行室の様子

画像提供:株式会社日立製作所

近い将来、快適な交通網によって渋滞が緩和されることで、温室効果ガス排出削減への寄与につながる。

信頼性が高く、持続可能な交通手段である「スカイライン」の今後の可能性に大いに期待したい。

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