エネペディア

「PPA」を3分解説!

再生可能エネルギー電力の活用で改めて注目されている電力の長期購入契約

エネルギーの注目キーワードを3分で理解! 第4回のテーマは「PPA」。再生可能エネルギー電力の活用が推進される中で、最低限知っておきたい「PPA」のポイントを解説します。

PPAとは、発電事業者と需要家を結ぶ電力購入契約

PPA(Power Purchase Agreement)とは、中規模から大規模な発電事業者と需要家(電気の利用者)の間で締結する電力購入契約のことです。

契約期間は10年以上の長期にわたることが通例となっています。

PPAは、従前から存在する契約形態ではあるものの、最近は再生可能エネルギー電力を利用する観点から改めて注目を集めているのです。

この新たなPPAの意義として、次のような点が挙げられます。

①長期契約を締結することでFIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)のような支援に依存せず再生可能エネルギー発電事業へ新規投資を行うことができる。
卒FIT後(買取期間満了後)も再生可能エネルギー発電事業を安定的に運営することができる。
③企業などの需要家が脱炭素化目標(例えば、二酸化炭素の排出が実質ゼロとなる社会を目指すことなど)を達成できる。

また、後述する「オンサイトPPA」を利用すると、送配電費用やFIT賦課金の負担を回避できるため、電力の売り手と買い手の双方にメリットがあるのです。

日本で広がる「オンサイトPPA」は「コーポレートPPA」の一種

近年、PPAの中でも企業や自治体などの法人が発電事業者から再生可能エネルギーの電力を長期に購入する「コーポレートPPA」という仕組みが世界で広がりつつあります。

この背景の一つには、気候変動問題が企業の事業活動の継続に大きな影響をもたらすという危機意識の高まりがあります。

コーポレートPPAを活用することで、企業や自治体は再生可能エネルギーとして付加価値のある電力を利用でき、RE100(※)への加盟やSDGs(持続可能な開発目標)達成への貢献をアピールすることができます。

※使用電力を全て再生可能エネルギーで発電した電力で賄うことを掲げた企業が加盟する国際的なイニシアチブ

コーポレートPPAにはさまざまな形がありますが、中でも最も簡単なモデルが「オンサイトPPA」と呼ばれるものです。

電気の利用者である需要家が発電事業者に建物の屋根などのスペースを提供し、発電事業者が発電設備の設置と運用・保守を実施、現地(オンサイト)で発電した電力を需要家に供給するというものです。

日本では、太陽光発電システムを利用したオンサイトPPAを「太陽光発電のPPAモデル」「第三者所有モデル」「ソーラーPPA」などとも呼ばれていますが、簡単に言えば場所を貸してプロに電気を作ってもらい、それを使うという仕組みです。

太陽光発電による“自給自足”を一から作り上げる場合に必要となる初期費用や保守費用が不要、という点は魅力的と言え、現在、輸送機器メーカーのスバルや医薬品メーカーの第一三共などがオンサイトPPAを利用しています。

さらなる再生可能エネルギー電力推進のため「オフサイトPPA」にも注目

最近の例として、2019年4月にイオン株式会社が大手小売業として初めて商業施設へのオンサイトPPA導入を発表し、令和元年度新エネ大賞(新エネルギー財団会長賞 先進的ビジネスモデル部門)を受賞しました。

イオンをはじめ、RE100に参加している企業や自治体は、使用電力の100%を再生可能エネルギー電力にするという目標を掲げています。

そのためにはオンサイトPPAだけでは量が十分ではなく、企業などの敷地外に再生可能エネルギー発電設備を建設し、送配電ネットワークを経由して電力を供給する「オフサイトPPA」を活用することも必要となってくるのです。

世界のRE100加盟企業の動向を見ると、再生可能エネルギー電力の調達に占めるオフサイトPPAの割合は、2015年の3%から2018年には19%まで拡大しました。

日本においても、オフサイトPPAなどを含めたPPAのさらなる活用によって、企業や自治体の再生可能エネルギー電力利用が進むことが期待されます。

参考:
・RE100『年次報告書』(2019年12月)
・経済産業省 資源エネルギー庁『「再エネ型経済社会」の創造に向けて~再エネ主力電源化の早期実現~』(2020年7月22日)
・公益財団法人 自然エネルギー財団『コーポレートPPA実践ガイドブック』(2020年9月30日)

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