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「SDGs」を3分解説!

17のグローバル目標と169のターゲットから成る2030年に向けた具体的行動指針

エネルギーの注目キーワードを3分で理解!第1回のテーマは「SDGs」。世界で進められる壮大なプロジェクトが今なぜ必要なのか。最低限知っておきたい「SDGs」のポイントを解説します。

「SDGs」は2030年への具体的な行動指針

2015年9月の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)は、“2030年までに環境、社会、経済の面で負荷が少なく、これからの世代も現在と同じように発展しながら暮らすことができる世界を目指す”という国際目標です。

貧困や飢餓、エネルギー、気候変動といった17の大きな目標の下に、169の具体的な達成基準(ターゲット)を定めています。

開発途上国・先進国に関わらず全ての国が行動し、地球上の全ての人や組織が目標達成に向けて参画することが求められており、各国におけるSDGsの達成状況は、それぞれの国の政府が評価し、フォローアップする責任を負っています。

毎年、一年を振り返る重要な会合であるハイレベル政治フォーラムが国連本部で開催されており、国別のレビューやテーマ別の進捗に関する議論が行われています。

SDGsのカギ。それは、「地球上の誰一人も取り残さない」という精神です。

各国の状況や能力、開発水準を尊重しながら、世界全体の底上げを目指しています。

画像出典:国際連合広報センターより

「SDGs」はMDGsを進化させたもの

実は、SDGsには基となったものがあります。

それは、2001年に策定された「MDGs(ミレニアム開発目標)」です。

MDGsとは、2000年9月の国連ミレニアム・サミットで採択された、国際社会共通の目標のこと。

「極度の貧困と飢餓の撲滅」や「ジェンダー平等推進と女性の地位向上」といった開発分野における8つの目標を掲げ、達成期限となる2015年までに一定の成果を挙げました。

例えば、開発途上国で極度の貧困状態(一日1.25ドルという貧困ライン以下)で暮らす人々の割合が、1990年の47%から2015年には14%まで減少。

開発途上の地域における初等教育の就学率は、2000年の83%から91%まで向上しています。

一方で、CO2排出量の増加傾向(1990年以降50%以上増加)や就職率・政治参加における男女格差といった達成目標は水準に及びませんでした。

MDGsが推進された15年間の変化を踏まえながら、残された課題を解決し、新たな課題に取り組むために策定されたのがSDGsなのです。

画像出典:国際連合広報センター『ミレニアム開発目標(MDGs)報告2015 MDGs達成に対する最終評価』より

「SDGs」一番の課題は気候変動対策

SDGs採択から約4年後となる2019年5月、ハイレベル政治フォーラムの開催にあたり、最新データを盛り込んだ「SDGs報告2019」が公表されました。

この報告書では、極度の貧困削減や予防接種の普及、幼児死亡率の引き下げや電力を利用できる人々の増大といった分野で前進がみられると指摘しています。

しかし同時に、緊急な対応を要する分野として、「気候変動対策」や「生物多様性損失の阻止」が挙げられました。

異常気象や自然災害の増大と激化、生態系の崩壊といった環境破壊は、貧困や不平等の拡大にも影響します。

こうした課題も踏まえて、2020年1月から、SDGs達成に向けた取り組みを加速し、規模を拡大するための期間である「行動の10年」がスタートしました。

日本も、「SDGsアクションプラン2020」を定め、エネルギーや気候変動を含む8分野で具体的な取り組みを公表しています。

エネルギー分野においては、再生可能エネルギーの利用拡大だけでなく、工場や住宅での省エネルギー化、次世代蓄電池のような新技術の研究開発など、SDGs達成に向けて実行できることが多くあります。そして、エネルギー分野に限らず、他の多くの産業にも同じことが言えるのです。

つまりSDGsとは、地球上のあらゆる人や組織が、よりよい世界を実現するために掲げられた、世界共通の具体的な行動指針なのです。

「SDGs」の気になるトピックス

・EMRIAビジコン最優秀賞! ブルーカーボンで多角的に広げる「養殖藻場」ビジネスとは?
・富山県南砺市が“エコビレッジ”で目指す持続可能な地域づくり!
・カーボンニュートラル先進国・デンマークに学ぶ「私たちにできること」

参考:
・外務省『JAPAN SDGs Action Platform
・外務省『MDGsの成果と課題
・国際連合広報センター『国連ミレニアム開発目標報告2015 MDGs達成に対する最終評価』(2015年7月6日発刊)
・国際連合広報センター『持続可能な開発目標(SDGs)報告2019
・国際連合広報センター『気候変動が持続可能な開発に向けた前進を脅かしている、と国連の新たな報告書が警告(プレスリリース日本語訳)』(2019年7月10日)

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