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ごみを燃やして充電!日本初の“エネルギー循環型”EVごみ収集車<電池交換型>が登場

ごみ焼却時に発生する蒸気から発電し、ごみ収集時に活用

リサイクル意識が高まる現在においても、日々、膨大な量が排出されるごみ。そのごみを回収、焼却施設まで運搬するごみ収集車にEV(電気自動車)車が登場、国内初導入が発表された。廃棄物発電を利用するエネルギー循環型のごみ収集システムを搭載したEVごみ収集車、今後の普及が期待される環境に優しい仕組みとは?

川崎市発!環境に優しいクリーンなごみ収集車

日本三大工業地帯の一つ、京浜工業地帯を有し、かつて大気汚染による公害被害に見舞われた神奈川県川崎市。その後、公害対策に取り組む過程で高い環境技術を蓄積し、現在では市内各所にさまざまな再生可能エネルギーの発電施設が点在する、環境先進都市として地位を確立している。

その川崎市が、かねてJFEエンジニアリング株式会社と共同で実証実験を重ねていたEVごみ収集車<電池交換型>を、2019年2月より日本で初めて実用化すると発表した。

川崎市が導入を発表したEVごみ収集車。ごみの焼却処理時に発生する蒸気から作る電気を、電池の充電に使う「エネルギー循環型ごみ収集システム」を採用

導入されるEVゴミ収集車は電池交換型となっており、ごみ焼却によって発生する蒸気で発電する廃棄物発電から得られた電気を、敷地内の電池ステーションへ送電して電池を充電。EVごみ収集車はその都度、満充電の電池に積み替えてごみ収集に向かう仕組みになっている。

今回採用される「エネルギー循環型ごみ収集システム」のポイントは3つ。

1つ目が、走行やごみ収集作業の全ての動力を電気で賄うこと。

EVのため、走行中や作業中に大気汚染につながるCO2やNOx(窒素酸化物)などを排出することがなく、また、通常のごみ収集車と比べて格段に走行音が静かになるのもメリットだ。

2つ目が、短時間かつ自動で行われる電池の交換。

まず、EVごみ収集車を電池ステーションの所定位置に停車し、車内でリモコンのボタンを操作。すると、電池ステーションから伸びたアームが車載電池を取り外し、ステーション内に格納される。その後、充電された電池と入れ替え、再びEVごみ収集車に搭載と、ドライバーはその間数分待つだけ。これにより、走行距離に課題を残すEVでも、効率的にごみ収集作業を行うことができる。

電池ステーションで行われる電池交換イメージ

3つ目が、災害時の非常用電源としての活用だ。

実際、市が行った防災訓練で、非常用電源としてこのEVごみ収集車が試用された。出力1500W(100V)で、バルーン照明(1機300W/夜間のみ8時間)や扇風機(1台130W/24時間)の稼働、携帯電話の充電などができたという。これらの使用状況から、川崎市ではおおむね1週間程度の利用が可能と想定している。

今回のEVごみ収集車の導入について川崎市環境局は、「廃棄物発電を活用した電池交換型EVごみ収集システムという新たな環境技術を本市から発信できることは、環境先進都市として非常に意義深く感じる」と、このシステムの全国普及に期待を寄せている。

なお、EVごみ収集車は南部生活環境事業所(川崎市川崎区塩浜)に2台導入。電池ステーションは浮島処理センター(川崎市川崎区浮島町)に1基の設置を予定している。

ごみからエネルギーを創出する廃棄物発電

今回の「エネルギー循環型ごみ収集システム」に用いられた廃棄物発電とは、ごみ焼却時の熱で高温高圧の蒸気を作り、その蒸気でタービンを回して発電する発電方法のこと。廃棄物にはプラスチックや化学繊維など石油由来のものも生じるため、燃料の全てとは言えないものの、再生可能エネルギーのバイオマス発電に分類されている。

1973(昭和48)年と1979(同54年)年に起こったオイルショックを契機に、石油の代替資源として期待が高まった廃棄物発電だが、当初は発電効率の低さが課題になっていた。しかし、近年では、焼却処理施設の能力向上や発電に用いられるタービンなどの技術革新によって発電効率が改善されている。

電池ステーションの設置が予定される浮島処理センターは、もちろん廃棄物発電施設を有している

環境省がことし3月27日に発表した「一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成28年度)について」によれば、平成28年度の発電設備を有するごみ焼却施設数は全体の32%(前年比+1.5%)。総発電電力量も平成27年度の約255万世帯分の年間電力使用量に相当する8175GWh(ギガワット)から、約295万世帯分相当の8762GWhへと増加している。

今後、発電設備を有するごみ焼却施設が増加していけば、年間4000万トン以上のごみが排出されていることからも、膨大な量のエネルギーが作れる可能性がある。

もしかすると、私たちが排出したごみが暮らしのエネルギーを支える未来が訪れるかもしれない。

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